苦情対応①
目次
1.お客様の求めるニーズは?
2.苦情をおさめるために必要な対応
3.トラブルに発展させないための4つのポイント(前半)
3.トラブルに発展させないための4つのポイント(後半)以降は、苦情対応②をご覧ください。
1.お客様の求めるニーズは?
苦情を言われるお客様は、サービス提供者に対して、自分のニーズに確実に応えてくれることを望んでいます。「ニーズ」には「実質的ニーズ」と「心理的ニーズ」の2種類があります。
実質的ニーズ
『具体的な用件、期待に確実に応えるサービス』
①商品交換・弁償
②迅速で効率的な対応や処理
心理的ニーズ
①敬意を持った丁寧な応対
②謝罪、誠意のある応対
③気配り、思いやりのある応対
④共感性の伝わる応対
⑤お客様の心理を読み取った応対
苦情対応では、双方のニーズに的確に応える必要があります。
2.苦情を収めるために必要な対応
ニーズに応えるため・苦情を収めるために必要なことは、大きく分けて4つあります。
A.問題解決(状況把握・事実確認・解決行動)
お客様の話を聴く
事実の説明・解決案(代替案)の提示
これら2つは、「実質的ニーズ」に当てはまります。
B.気持ちの理解・感情を静める
お詫びと誠意の気持ちを表す
誠意とお礼の気持ちを示す
これら2つは、「心理的ニーズ」に当てはまります。
この4つを盛り込みながら、お客様に『納得』・『妥協』をしてもらうという最終目標を目指します。
苦情を収めるためには、A,Bの両方が出来る事が望ましいですが、内容によっては問題を解決できないこともあります。
その時は、お客様の感情が静まるように、一生懸命に誠意を持って対応しましょう。
その対応でお客様に納得・妥協していただけたのなら、素晴らしい対応と言えるでしょう。
3.トラブルに発展させないための4つのポイント(前半)
Point1.お客様のお話を聴く
①話を遮らず、最後まで聴く
苦情のお客様の第一の要求は、「私の不満・不愉快な思いを企業の人に聞いてほしい」ということ。
たとえ、お客様の言い分に誤解があっても、話の途中で指摘しないことが大切です。
話したいことがわかっても、お客様の話を遮ってはいけません。
話を聴くことが大切です。
②状況に合わせたあいづちを返す
一生懸命話を聴いているという姿勢を電話で相手に伝えることが出来る方法が、状況に合わせたあいづちを返すことです。
いくら黙って一生懸命話を聴いていても、目に見えない電話の相手には伝わりません。
正しくあいづちを使って、話を聞いていることをお客様にお知らせしていきましょう。
③言葉を繰り返して確認する(復唱・まとめる)
お客様の言葉を繰り返す(オウム返しをする)と、事実を確認しながらお客様の状況や気持ちに理解を示していることを伝えることができます。
また、相手に誠意をもって話を聞いていることを示すことができます。
例)【お客様】「午前中指定なのに商品がまだ来てないよ。」
【応対者】「午前中指定の品がまだ届いていないということでございますね。」
④質問して内容を確認する
不明点があれば聴くことも必要です。質問しながら話していくことで、相手を理解しようとしていることを示すことができます。
また、その後の対応で上長に引き継ぐことになった時、一時入電で状況やお客様の情報を整理しておくことで、スムーズな引継ぎを行うことができます。また、質問をすることで、相手が自分の話に真摯に向き合おうとしてくれている、しっかり話を聴いてくれているということを示すことができます。
質問の仕方・コツ
質問の仕方については、以下を参考にしましょう。
苦情対応に置いて、お客様の状況や苦情の内容を把握しながら対応を進めることは、必要不可欠です。
質問をすると、お客様に話や気持ちを理解しようとしていることを示すことができます。
その際は、お客様の立場に立った理由と説明を加えましょう。
質問のコツ
質問の前に、お客様の立場に立った理由・説明を添えましょう。
質問する理由がお客様に伝われば、理解を得やすくなります。
例)・調査いたしますので、教えていただけないでしょうか。
・今後の改善に役立てたいと思いますので、教えていただけないでしょうか。
聴く・訊く際のポイント整理
①話をさえぎらず、最後まで聴く
②状況合わせたあいづちを打つ
③言葉を繰り返して確認する(復唱・まとめる)
④質問して内容を確認する(問題把握・状況把握)
苦情対応で大切なことは、これらの動作を対応の中で盛り込んでいくことです。
この4つの動作のどれが抜けていても、苦情は終着しません。
Point2.お詫びと配慮の気持ちを示す
①「何に対してのお詫びなのか」具体的に言葉にする
クレームと言えば、とにかく謝るものだと考えている人もいるかもしれません。しかし、ただひたすら謝るだけでは問題は解決していきません。
「申し訳ございません」の連呼は、お客様の言い分すべてに謝っていると受け取られる可能性があるので注意しましょう。
さらに、あいづちの様に「申し訳ありません」をつかうと、真摯に話を聴いてくれていないという印象を与えてしまいます。
できないことに謝るのではなく「できないことでお客様がどうなるか」に対して謝罪をすることが大切です。(原因)+(お客様の状況・気持ち)+(お詫びの言葉)の順番を頭に入れて、「何に対しての謝罪なのか」を考えて言葉にしましょう。
②配慮を示す:クッション言葉+依頼形を使う
クレーム対応では、こちらからお客様にお願いをする場面も出てきます。その場合、クッション言葉がないと、一方的な印象を与えてしまいます。
このポイントは、意識したらすぐに実践できる内容ですので、下の図の例を参考にして、積極的に使ってみましょう。
クッション言葉+「●●できますでしょうか」という依頼形を使うことで、配慮の気持ちを表しましょう。
ポイント整理
①何に対してのお詫びなのか?具体的に言葉を添える
②配慮を示す(クッション言葉+依頼形を使う)
お客様の身になって対応したいです。