⑦トレーラの構造と運転
今回は、2)トレーラの特性に合わせた運転の⑦トレーラの構造と運転について学びましょう。
トレーラの構造と運転
◆ブレーキ
■トレーラには、安全を確保するためにいくつかのブレーキが装備されている。
【主なブレーキ】
①フット・ブレーキ
トラクタ部分とトレーラ部分のすべての車輪にほぼ同時に作動します。
②トレーラ・ブレーキ
トレーラ部分にのみ作動させるもので運転席のレバーで作動します。
■走行中、排気ブレーキを作動させたときのトレーラの突き上げ防止が主な使い方。
又、上り坂の坂道発進や、下り坂の突き上げ(ジャックナイフ現象)防止に利用
③駐車ブレーキ
トラクタとトレーラ部分に作動します。
運転席内のレバーを作動すると、車軸に取り付けられたスプリング・チャンバ内のエアが排出され、スプリング・チャンバ内に設けられた強力なスプリングの力でブレーキ力を発生させます。
(2000年頃までに作られたトレーラは、ハンドル操作によって機械的に駐車ブレーキをかける方式があった。)
■手動式駐車ブレーキ: 操作用ハンドルを回し、ワイヤを引っ張ることによりトレーラの車輪にブレーキを掛けるもの。
④排気ブレーキ(EGリターダー)
トラクタの駆動軸に作動させるもので、運転席のレバーで操作します。(エンジンブレーキの一種)一定回転数以下になると自動的に作動しなくなるため、停止するとスイッチを解除します。
■エンジンの排気管内の弁を閉じ、排気ガスの抵抗で協力なエンジンブレーキ力を発生させる。
■雨や雪道、凍結路の滑りやすい路面ではジャックナイフ現象を起こしやすい。
⑤リターダー(TMリターダー)
永久磁石によってプロペラシャフトの回転に抵抗を加え、制動力を得るもの。
■強力な制動力が得られ、長い坂道を降りる時に、フットブレーキと併用するとべーパーロックの防止につながる。
⑥エンジンブレーキ
トラクタのアクセルペタルから足を離すと、エンジンの内部抵抗により、トラクタの駆動軸に制動力がかかります。
⑦非常ブレーキ(トレーラ側のスプリング・ブレーキ)
トレーラ部分に作動する非常ブレーキ。
ブレーキ圧の低下時やエマージョンシーラインが破損した時、ジャンパーホースが外れた時、自動的に作動します。
内外輪差
◆旋回時の挙動
フル・トレーラを普通トラックと比べるとトレーラがやや内側に拡幅する。
セミ・トレーラは、道幅や運転方法によって周囲に与える影響が大きい。
◆セミ・トレーラの内輪差は大型トラックとくらべて大きい
セミ・トレーラの内外輪差は大型トラックと比べて一般的に大きいです。その為大型トラックよりも長いトレーラで交差点を左折する場合、小回りが必要なときは、特にトレーラ側の内輪差を意識することが極めて大切です。
旋回操作に入る前のコースの取り方で、交差点を曲がりきれるかが決まるため、運転感覚を磨いておく必要があります。
なお、フル・トレーラの場合は、大型トラックの前進運転と大きな違いはありません。
YouTube動画版はこちら↓
この章はここまで。小テストに取り組み、次の項目を学びましょう!