④貨物の荷姿や大きさ

この項目では、4)貨物の荷姿や大きさについて学びましょう。

4)貨物の荷姿や大きさ

①貨物の種類と荷姿

◆トラック輸送の貨物には、機械・液体・粉等さまざまなものがある

トラックで輸送する貨物には建設機械のような大きな貨物もあれば、液体や気体、粉などそのままでは輸送できない特殊な形状の貨物もあります。また、軽量な貨物もあれば、天井クレーンのような特殊な荷役機械を使わなければトラックに積み込むことができない貨物もあります。トラックに積載する場合は、貨物の形や大きさ、貨物量の数量に適した積載方法を考える必要があります。また、貨物が荷台の上で移動したり、荷台から落下しないように固縛したり養生することが大切になります。通常通り扱う貨物は、いろいろな資材で梱包されていたり輸送容器に収納されています。例えば米や野菜、果物のように、単体では荷役をしたり輸送を行うのが非効率な貨物を、袋に入れたり箱に入れることで取り扱いをしやすくすることができます。代表的な梱包資材には、袋物・段ボール・缶類などがあります。

②袋物

◆袋物は主に粉体や粒体に使用

小麦粉などの粉もの(粉体)や米などの粒もの(粒体)などの梱包には、「袋」が使われることが多くなっています。
通常は20~30kgの重さですが、工場間での原材料の輸送では500~1,000kgの物があり、これらはフレコンバックと呼ばれています。

◆袋物の取扱上の注意点

袋物の場合は、袋が破れる貨物事故又は、輸送中に袋の縫い目から製品が漏れ、他の貨物を汚したり、さらに臭いが強い製品の場合は、その臭いが他の貨物についてしまうこともあります。

③ダンボール

◆製品の形状に合わせて設計

ダンボールは、最も一般的な包装資材です。
製品の形状に合わせて設計されることが多く、無駄な空間が発生しにくいため、トラックへの積載効率も高く、輸送効率も高まります。
ダンボールは本来輸送容器であり、輸送中や荷役中に発生する振動や衝撃から製品を守るための包装資材ですが、お客様によってはダンボールにダメージがあったり、印刷されている製品名やバーコードがすれていたら、貨物事故と判断されることがあります。また、ダンボールそのものに商品価値を見出すお客様もいらっしゃいます。もし製品を損傷させた場合は、すっとぼけたり、ごまかしたりせずに本当のことを言って謝ることが大切です。

缶類(2段以上の段済みの場合は荷崩れに注意)

日常生活の中で缶詰や飲料用などの缶類を目にしますが、物流でもドラム缶やペール缶は、多く使われています。缶類は金属でできているため製品間に発生する摩擦が小さいため、運転中の急発進や急ブレーキによる大きな加速度が発生した場合に、貨物が滑って荷崩れを起こす危険性が非常に高いと言えます。
荷崩れ対策としては、慎重な運転を心がけるとともに、貨物をラップやラッシングベルトで止めたり、発砲スチロールや集合材などできちんと固定することが大切です。缶類の貨物には、ドラム缶・18リットル缶・ペール缶があります。

⑤バラ積み貨物

バラ積み貨物とは、砂利や砂、土砂などの粉体や粒体の貨物、また飲料や石油類など液体貨物など集合包装されていない貨物のことを言います。
バラ積み貨物は、袋やダンボールに入った製品と違って積み込んだ貨物の重量がドライバーに分からないため、過積載になることがあります。

荷扱い指示マークに従った荷扱い

荷扱い指示マーク

ダンボールなどには、その貨物の取り扱い方法や注意事項が文字や記号で表示されていることがあります。「荷扱い指示マーク」或いは、「ケアマーク」と言います。荷扱い指示マークは、国内貨物についてはJISによって19種類が決められており、輸出についてはISOによって決められています。
荷扱い指示マークは、貨物を保護するとともにドライバーや荷扱い者の安全を確保する目的で使用されていますので、その指示に従った作業を行わなければなりません。

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4)貨物の荷姿や大きさについては終わります。
小テストに取り組み、次の項目を学びましょう!

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