④事前準備(目的・テーマ・ゴールの設定)

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迷走する会議

会議の司会進行を担当することになったAさんは、定刻の13時に会議を開催した。会議は15時までの予定だった。「本日は、店所の収入目標達成について、という議題で会議を開きます。まず、現状について問題点を洗い出したいと思います。」各担当が、それぞれの問題点を思いつくままに挙げ終えたとき、時間は14時30分を過ぎていた。「それでは、これらの問題点を検討し、今後の改善策を考えてみましょう。」メンバーは、思いつくことを述べ始めたが、15時を過ぎるとイラついた様子を見せ始め、とうとう1人が「すみません、この後、お客様との約束があるので・・・」と言いだした。結局、何も決まらないまま会議は終了してしまった。・・・

目的・テーマ・ゴールを決める

会議・ミーティングでは、目的、テーマ、ゴール設定が必要です。
会議の目的(「何のために」)は、テーマ(「何を」話し合うか?)とゴール(「どこまで決めるか」)が明確になって始めて達成します。

目的を決める~何のための会議か~

目的とは「何のために」会議を開催するのか?ということです。
『増収』『経費削減』『利益率アップ』『定着率アップ』『業務の効率化』『労働環境改善』など、向かうべき方向性や最終的な到達点を示すものです。

テーマを決める~何を話し合うか?~

テーマとは「何を」話し合うのか?話題・議題のことになります。
『新規荷主獲得(増収)』『燃費向上(経費削減)』など、目的を達成するための具体的な目標や焦点を絞った話題を設定することです。

ゴールを設定する~どこまで決めるか?~

普段の会議・ミーティングでは『目的(何のために)』と『テーマ(何を)』については明確になっていますが、「どこまで決めるか?」が決まっていないことが多いものです。この「どこまで決めるか?」がゴール設定です。

【ゴール設定の種類】

ゴール設定には、大きく分けて4つの種類があります。

(1)「情報共有」のための会議
テーマについて参加者が持っている情報を伝え合う(共有する)会議のことで、短時間で終わらせることが必要です。メールなどでも対応可能です。参加者が共通認識が持てればOKです。

(2)「創造」のための会議
新商品開発、市場開拓、コスト削減など、重要な課題に対し、新しいアイデアを創出するための会議です。
「調整」や「決定」とセットで行うことが多く、十分な議論を行うため一定の時間が必要になります。
時間を十分使って、活発な議論を闘わせましょう。。 

(3)「調整」のための会議
利害関係(テーマに関わる人)の調整、スケジュール調整などを行うための会議です。
話し合ったことを、誰が、どのようにして行うかなどのすり合わせや具体的な行動計画を作成します。
お互いのスケジュールや予定を確認し合います。

(4)「決定」のための会議
検討した案件を最終決定し、実行に移すための会議 です。意思決定、決定する権限を持つ人の参加が必要になります。責任者が最終決定を行って終了です。

はじめにゴールを設定する

ゴールのイメージを参加者が共有されていない会議では、会議の的が絞れず収拾のつかない議論になり、まとまらないまま終わってしまうことが多いものです。会議の冒頭でゴールを明確に述べるだけで会議の生産性と効率が上がります。実際の会議では、テーマに対して(1)~(4)のプロセスを経て、最終的な決定に至ることが多いのです。(1)~(4)を一度の会議で行おうとすると多くの時間がかかるため、 テーマに応じて数回に分けてゴールを設定してから話し合いましょう。

アジェンダの作成

「アジェンダ」とは、会議・ミーティングの概要のことで、会議の目的、場所、日時、議題、話し合う内容、配布資料などを記載したものをいいます。

会議・ミーティングを開催する前に「アジェンダ」を作成し、参加者と共有しましょう。

アジェンダの効果

参加者が事前にアジェンダを読むことで、参加する前に内容を考えたり、発言の準備をしたり、必要な情報を集めたりすることができます。それにより「会議時間の節約ができる」「活発な討議ができる」「中身の濃い会議ができる」などの効果があります。

アジェンダの例とポイント

【日時】開催日の数日前に知らせる、時間厳守を伝えること
【場所】事前に場所を押さえておくこと、他の会議と重ならないようにすること
【議題】(目的)何のための会議か!(テーマ)議論する内容をどこまで決めるか(ゴール)を記載すること
【資料】必要な資料は事前に配布しておくと時間短縮になる

アジェンダを作ってみよう!

あなたが、司会進行役(ファシリテーター)となって会議やミーティングを開催する予定があればアジェンダを作ってみましょう。
それだけで、会議・ミーティングの進行がスムーズに行くことを体験するでしょう。

この章はここまです。以下の知識確認テストに合格したら次の章に進みましょう!

長さ: 10 分

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