③危険予知訓練

この項目では、 3) 危険予測の訓練について学びましょう。

3) 危険予測の訓練

①ヒヤリ・ハットとハインリッヒの法則

ヒヤリ・ハットとは、事故には至らなかったものの、その一歩手前の危険な状態の発生をいいます。例えば、急に自転車が車道に飛び出してきたため、慌ててブレーキを踏み、なんとか事故は避けられたような事例です。ハインリッヒの法則とは、数多くの労働災害を調査分析した結果として生み出されたもので、1件の重大事故の背景には29件の軽微な事故があり、その背景には300件のヒヤリ・ハットがあるというものです。

■「1:29:300」が意味するもの

ハインリッヒの法則は、「1:29:300」で表されますが、この数字が意味するのは、軽微な事故やヒヤリ・ハットを繰り返していると、その内重大事故を招くということです。
構内から左折して出ていくときに、塀に接触した「こすった・かすった」は、物損事故に入らないと無視しても構わないとか、速度超過が原因による事故が、たまたま軽微な物損事故で済んだからと放置し、速度超過の運転行動を繰り返すと、やがて重大事故を引き起こします。たとえ事故が軽微なものであったとしても事故の原因まで軽く考えてはいません。事故の原因そのものをなくしていくことが、事故防止の重要なポイントとなります。

■事例を収集し記録する

ヒヤリ・ハットの体験をした時に、その状況を記録することが大切です。あらかじめ一定の記録用紙を作成して、それに記入していくのが良いでしょう!
①ヒヤリ・ハットの発生状況(日時、天候、場所、道路状況、自車の種類、発生経緯)
②ヒヤリ・ハットの現場図
③ヒヤリ・ハットの原因(自車側と相手側)
④ヒヤリ・ハットの防止対策

■少人数でのグループ討議方式で事例の原因や対策を検討

ヒヤリ・ハット事例については、少人数(4~10人程度)のグループでヒヤリ・ハットが起こった原因と、その防止対策をグループメンバー全員で討議しながら進めていくのが効果的です。複数のドライバーが考えることによって、自分一人では思いつかなかった対策が得られるからです。また、1つのヒヤリ・ハット事例を取り上げて考えていく中で、その事例とよく似た体験をしたドライバーから体験談が話されることもよくありますので参考にしていきましょう!

■自分側の問題点を考える

ヒヤリ・ハットを議論していく際に留意したいのは、「歩行者が急に横断してきたから」とか「前の車が急に止まったから」といった相手側に責任を押し付ける考え方はしないことです。全てを相手の責任してしまうのでは討議する意味がありません。自分の運転を振り返り、車間距離は十分だったか?スピードに問題はなかったか?前方に対する注意の仕方は適切だったか?などをよく考えてみることが大切です。

■交通場面に潜む危険を予知する能力を養う訓練

交通場面には様々な危険が潜んでいます。そうした危険が目の前に現れてから回避手段をとっても手遅れというケースは少なくありません。
交通事故を起こさないためには、事故に結びつく危険要因をできるだけ早く予知し、危険を回避するための適切な行動をとることが重要なポイントになります。そうした危険を予知する能力を高めるための有効な訓練方法が危険予知訓練、略してKYTといわれるものです。

■危険予知訓練の基本

危険予知訓練は、交通場面を描いたイラストシーンや写真、ドライブレコーダーに記録された映像を見て、その場面にどんな危険が潜んでおり、回避するには、どのような運転をすればよいかを、小人数のグループで討議し、具体的な運転行動を決定し、実践していくものです。したがって危険予知訓練(KYT)は、グループによる討議形式で進めるのが基本であり、最も効果的な方法であるといわれています。

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危険予知訓練は、以上になります!

次は指差呼称及び安全呼称について学びましょう。

長さ: 10 分

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