【ステージ6】新規事業の判断軸

 新規事業開発におけるプロセス

新規事業開発は以下のプロセスで進めます。

【ステージ1】①領域、②テーマ
会社の使命、理念の実現に向けた新規事業の領域を決めます。
マクロ的なリサーチを行い、因数分解することで、テーマを明確にしていきます。

【ステージ2】③ターゲティング、④価値提供
テーマについて、本質的な課題の設定や、お客様が抱えるペイン、ゲインなどについてヒアリングを行います。また、5つの提供価値として、早さ、安さ、簡単さ、質の高さ、選択肢の多さを明確にしていきます。

【ステージ3】⑤機能化、⑥ビジネスモデル、⑦プランニング
新規事業の概要と事業計画を作成します。目指すべき姿や世界観、未来像を実現するためのサービスの仕組み、優位性の深掘り、KGIやKPIを設定し、予測PLを作成します。

【ステージ4】⑧実証準備、⑨実証実験
事業内容によっては、実証実験を実施し、検証を行います。

【ステージ5】⑩事業化
ステージ1から1年以内に、事業化するか、断念するかを判断します。

【ステージ6】⑪事業化後の経営判断軸
KGIやKPIの達成状況を把握し、撤退基準に沿って経営判断を行います。

【ステージ7】⑫経営状況の把握・投資判断
経営状況を数字で把握し、今後の投資の是非を判断します。

新規事業開発は以上のプロセスで事業化し、事業化した後も継続か撤退かを判断します。

 【ステージ6】SHD新規事業の経営判断軸

今回のコンテンツは、ステージ6の事業化後の経営判断軸について解説します。

【判断軸①】事業計画(KGI)

まずは、1つ目の事業計画、KGIです。
事業化にあたり事業計画を作成します。収入と利益計画により、黒字化になる年数を設定します。
一般的には、3年後に単年黒字化すること。5年で累積喪失が一掃されることが基準です。ただし、経営基盤の違いから黒字化までの期間が異なることも考慮する必要があります。

新たな事業展開を行う際に、導入期、成長期、成熟期、衰退期のプロジェクトライフサイクルが存在します。導入期は、赤字が一般的です。

経営基盤の違いから黒字化への時間軸が異なります。
左側は、経営基盤がある会社、左側は、経営基盤が小さい会社にプロダクトサイクルです。経営基盤が小さいと黒字化に時間がかかることがわかります。事業計画を作成する際に、黒字化になる年数予測が重要になります。

【判断軸②】KPIの達成度

判断軸の2つ目は、KPIの達成度です。
KGIだけの判断では、その事業が上手くいっているのか、今後の成長が見込めるかの判断ができず、複数用意したKPIの達成度を加味することが必要です。KPI指標は、KGIと投資に繋がることが重要です。

KPI設定の例として、注文数をKPIとした場合、注文数には、受注率や顧客数などを、KPIに設定することができます。
また、注文単価のKPIには、1個当たり単価や、1件あたりの平均注文個数などのKPIがあります。生産量であれば、稼働率、生産性などのKPIがあり、それぞれ、さらに細かくKPIを設定することができます。

【判断軸③】撤退基準の設定

判断軸の3つ目は、撤退基準の設定です。新規事業を立ち上げ後の撤退基準をあらかじめ設けます。
撤退基準の1つ目は、事業立ち上げ年度より、3年連続でKPIのうち2つ以上が未達だった場合。
2つ目は、事業立ち上げ3年目以降は、売上/利益計画に対していずれかが70%を下回った場合です。
この2つの基準に該当する場合は、事業からの撤退を検討します。

新規事業経営管理シート

新規事業計画管理シートについて説明します。
①から③は事業計画、KGI。売上や利益計画です。
④は、定性的目標で、ミッション・ビジョン・バリューなど実現したい世界観です。
⑤から⑦は、各種KPIの設定に関することです。
⑧に、撤退基準を設定します。

①~⑨の項目は、新規事業としての立ち上げ時、もしくは、同シートでの管理運用開始時に、事業会社、事業推進部、OPI推進室、社内サポーターの関係者による確認後、SHD経営陣の承認のもとに設定するものとします。

事業立ち上げ3年目まではKPIでの管理/評価を基本線とし、関係各者はKPIの成長にコミットすること。事業単位で、お客様の提供する新規創出の価値提供に準じた管理指標を定義することが必要です。

事業KPIロードマップシート

KPIロードマップシートについて説明します。
各項目は、新規事業としての立ち上げ時、もしくは同シートでの管理運用開始時に、事業会社、事業推進部、OPI推進室、社内サポーターの関係者で「確認」をした後、SHD経営陣の「承認」のもとに設定します。
関係各社は、設定されたKPIへのコミット並びにKPIと連動し設定したアクションプランの遂行に務めます。
同シートは5ヶ年で設定を行うものとし、「課題」については毎期末に記入を行っていきます。

知識確認テストに取り組みましょう!

長さ: 10 分

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