未来を予見する4つの法則
未来を予見し、試行を始める時
まさに今、発生している本格的な変化の渦をチャンスにするために・・・
■ 21世紀、第四次産業革命やデジタルトランスフォーメーション(DX)の時代に突入しています。
■ デジタル技術の急速な発展、社会が大きく変容しています。
また、新型コロナウィルス感染症は、一気に新たなフェーズへと加速させていきました。
■ 日本は、デジタル庁が設立、ようやくデジタルサービスインフラに着手しはじめました。
行政も、企業も、生活者も、本格的な変化の渦の中に突入しています。
これらをチャンスにするには、先回りをし、仮説を立てて準備をし、新たな取り組みを小出しにしながら試行していくことが必要です。
世の中の変化 3つのステップ
世の中の変化には3つのステップがある
世の中の3つのステップが一通り行き渡った時、新たな社会の業態化となります。
第1ステップは「インフラの変化」、第2ステップは「ビジネスの変化」、第3ステップは「ライフスタイルの変化」です。これから新たなビジネスを考える上で活かすことができる第1と第2ステップにおける「変化を予見する4つの法則」を解説します。
インフラの変化を見極める
第1ステップ「インフラの変化」を予見するための法則1は「人は易きに流れる」ということです。
インフラ革命のような変化の兆しが見え隠れするときに、主流になるものと、ならないものを見分けるポイントは、「人間がラクになれるか」「より儲けやすくなるか」ということです。
例)移動インフラの変化 馬車から自動車へ
過去の有名なインフラの変化に「馬車から自動車へ」という移動インフラの変化がありました。
馬車から自動車への移行により、毎朝晩、馬に餌をやったり、干草の掃除をしたりする手間から解放され、時間に余裕が生まれました。自動車を使えば、馬車よりもより遠く、より多くのものを運ぶことができます。
「人間がラクになり、より儲けやすくなる」ことで、自動車へと移動インフラは変化しました。
ビジネスの変化を予見する3つの方法
インフラの変化が起こるとビジネスモデルが変わる
世の中にインフラ変化が起こると、次に第2ステップである「ビジネスの変化」が起こります。
ビジネスの変化を予見する方法は「変化対応」「産業の変化」「事業進化」の3つです。
それぞれの予見方法と法則について解説していきます!
ビジネスの変化は染み出し方式で
ビジネスの変化を予見する方法、1つ目は「変化対応」です。
「変化対応」とは、世の中のインフラ変化に対して、どのように対応していくかということであり、それを予見するための法則が「染み出し」です。
「染み出し」とは、自社製品・サービスから染み出すように新たなものを生み出すことをいいます。
例)移動インフラの変化(馬車から自動車へ)に対応したエルメス
エルメスは、かつて馬具を作る会社であり、馬や馬車で物を運ぶ際のバッグ(袋)も作っていました。移動手段が、馬車から自動車に変わったとき、馬車時代に使っていたバッグを使ったところ不具合がありました。それは、自動車の振動が激しくて、バッグから荷物が飛び出してしまうのです。そこでエルメスは、カナダで見つけたファスナーを世界で初めてバッグにつけることで移動中も荷物が飛び出さない便利なバッグが生まれました。
移動手段の変化に対応して移動時の道具を進化させたのです。
産業の変化は「螺旋階段」で見通す
インフラの変化により起きる「ビジネスの変化」を予見する方法、2つ目のポイントは「産業の変化」です。
産業の変化とは、新たなインフラを活用し、産業がどのように変化するかということです。
その変化を予見する法則3は「螺旋階段」です。
「螺旋階段」とは、物事が発展、発達する際には、発展すると同時に昔の姿を彷彿させるものが復活してくるという意味です。
螺旋階段は、横から見ると上に登る(下に降りる)階段に見えます。真上から見ると円に見え、1階分上がると360度一周して元に戻ってくるように見えます。
産業の変化を螺旋階段で見通すとは、現在を螺旋階段の180度上った場所として位置付けてみると「過去には存在したが、今は消えているものは何か」を探し出してみると次に復活してくる構造変化が見えてきます。
例)万屋(よろずや)⇒ スーパー ⇒ コンビニエンスストア
昔は、万屋(よろずや)さんが徒歩圏内にあり、文房具、お菓子、乾物や調味料、下着など最低限必要なものを何でも買うことができました。
また地域のコミュニティの役割も担っていました。
次第に、流通や物流のインフラが進化し、郊外型の大型スーパーが誕生がしました。この段階で、螺旋階段を180度昇ることになり、スーパーと万屋さんは、一見、正反対の存在に見えてきます。
POSによる在庫管理技術やチルドインフラなどが整うと、家の近くにコンビニエンスストアとして万屋さんが進化して復活しました。
また、コンビニエンスストアは、万屋さんとスーパーの特徴の両方を持ち合わせていることも注目が必要です!
事業進化はスタートアップで予見する
インフラの変化により起きる「ビジネスの変化」を予見する方法、3つ目のポイントは「事業進化」です。
事業進化とは、新たなインフラのもとで、次にどんな新ビジネスに着手するべきかということです。
そのための法則4は「スタートアップの観察」です。
「スタートアップの観察」とは、既存事業と似た事業を行うスタートアップを見つけ、どのようなビジョンとビジネスモデルを展開しているかを確認し、自社の新ビジネスに生かす考え方のことです。
例)アニコム(ペット保険の会社)
保険に入ったペットが病気や怪我をしにくくなるような情報サービスを提供し、ペットの怪我や病気への遭遇率を下げることをめざして事業を立ち上げました。
ペット保険に入る人が真に望んでいることは、ペットがずっと元気でいることであり、自動車に乗る人の真の望みは安全に車に乗ることです。
スタートアップは、既存企業が無理だと思っていた顧客の真の望みの実現に先んじてチャレンジしています。
スタートアップのチャレンジを時期尚早だと冷ややかにみるのではなく、
・その事業は人をラクにするのか?
・人が本当に望んでいるものを新たなテクノロジーを使って実現しているか?
という視点で見つめてみる自社の未来の姿も透けて見えてきます!
第2ステップのビジネスが変わると、第3ステップとして、働く人や消費者などビジネスと密接に関わる人たちのライフスタイルも変わっていきます。
ここまで学んだことの確認テストを行いましょう!
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