⑥トレーラの点検整備

今回は、2)トレーラの特性に合わせた運転の⑥トレーラの点検整備について学びましょう。

トレーラ(非けん引自動車)の点検整備

◆ブレーキ不具合による火災事故の未然防止

ブレーキ・ドラム/ライニングやハブベアリングの不具合が起きると、ブレーキが作動したままの状態(引きずり状態)になることがあります。
そのまま走行すると、ブレーキ・ドラムが過熱されて、タイヤが発火し、火災事故につながります。

■トレーラの日常点検
・リレー・エマージェンシ・バルブの作動不良
・スプリング・ブレーキ・チャンバの機能不良
・駐車ブレーキの解除忘れ

中期ブレーキ規制への対応:輸送効率化促進によるトレーラの大型化に対応した関係法令の改正等に伴い、運輸省(国交省2001.1.6)は運輸審議会の答申の(92年3月)の提言をもとに自動車安全確保のために必要と認めた短期規制・中期規制・長期規制と保安基準の改訂をしました。

2000年7月(中期ブレーキ規制)以前においては、トレーラ・ブレーキ・レバーで行う場合がありましたが、2000年7月(中期ブレーキ規制)以降に登録されたトラクタは、ブレーキ操作が変更され、停車時におけるブレーキ操作はトラクタの駐車ブレーキ・レバーで行われる場合があります。トラクタの駐車ブレーキの多用、登り下りの頻繁な走行は、トレーラの車軸に取り付けられている、「オートマチック・スラック・アジャスタ」に負担がかかるので、トレーラメーカーが指定する「シビア・コンディション」を受ける必要があります。

シビア・コンディション一覧

※「オートマチック・スラック・アジャスタ」ブレーキ・ライニングとドラムとの隙間を自動的に調整し、ブレーキの利き具合を最適化する装置
※「シビア・コンディション」…標準より過酷な使用条件

トレーラ(非けん引自動車)日常点検のポイント

①リレー・エマージェンシ・バルブ

ブレーキ・ペダルを踏んで離した時、排気音が正常であるか二人で点検します。

また、リレー・エマージェンシ・バルブの配管接合部からのエア漏れがないか確認します。

②ブレーキ・チャンバ

ブレーキ操作時・解除時、同調して作動するか、エア漏れがないか2人で点検します。

また、ブレーキ・チャンバからエア漏れがないかを確認します。

③スプリング・ブレーキ・チャンバ

フットブレーキはエアを送り込み、駐車ブレーキはエアを抜くことで作動します。

④駐車ブレーキ

スプリング・チャンバの付いている車軸のブレーキが作動・解除できるか点検します。

点検項目

日常点検★印:走行距離、運行時の状態等から判断した適切な時期に行うことで足りる項目を示す。
定期点検★印:自動車検査証の交付を受けた日又は当該点検を行った日以降の走行距離が3月あたり2000km以下の自動車については、
前回の当該点検を行うべきこととされる時期に当該点検を行わなかった場合を除き、行わないことができる項目を示す。

〇、◇:メーカー指定項目
○印:備考欄に記載した適切な時期に行う項目を示す。
◇印:シビアコンディション項目で下表のいずれかに該当する場合に点検すべき項目を示す。

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この章はここまで。小テストに取り組み、次の項目を学びましょう!

長さ: 10 分

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