①メタモデル、ニューロロジカルレベル

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【傾聴&質問スキル】メタモデル

部下を育成するにあたって大切なことは、部下の話をよく聴くことです。その際、ただ相手の話す言葉を聴くだけではなく、言葉にされていない隠れた情報を引き出すことが必要になります。

メタモデルとは、人と会話する際に言葉にされていない情報を引き出す質問のことを言います。

メタモデルは、傾聴と質問のコーチング・スキルといえます。

メタモデルって何?

体験は深層部に記憶されている

人が見たり、聞いたり、体験したりしたことは、「完璧な体験」として、その人の深層部に記憶されています。

省略、一般化、歪曲が起きる

深層部に記憶した完璧な体験を「表層部」へ言葉として表現するときに「省略」「一般化」「歪曲」が起きます。

体験した全ての情報を、言葉で相手に全て伝えようと思うと、多くの時間と表現力が必要になるため、「省略」「一般化」「歪曲」によって簡潔にモノゴトを伝えようとします。これ自体は悪いことではありませんが、本当に必要な情報が抜けてしまい、間違って伝わってしまったり、ミス・コミュニケーションの原因になったりします。

メタモデルの質問で情報を引き出す

「省略」「一般化」「歪曲」に対し、深層部にある情報を表層部に引き出してことをメタモデルの質問といいます。表層部の言葉だけで判断するのではなく、相手の深層部にある考え方や情報をどれだけ引き出せるかが重要です。

人は情報を「省略」して伝える

「省略」とは、何かを相手に伝えるとき必要な情報を省いてしまうことをいいます。
人は1秒間に200万という情報を五感で取り入れています。
その情報の全てを説明しようとすると大変な為、自分の体験や考えを伝えるとき必ず省略しています。
省略されても問題ない場合はいいですが、必要な情報が省略されている時は「省略」された情報を引きだすためにメタモデルの質問をします。

 省略(例)メタモデルの質問
「人に自分の考えを伝える」誰が? いつ? 何が? どこで? 誰に?  具体的にどのように?
「私は努力が足りないダメな  人間なんです」何と比べて? 誰が決めた?  何を基準に?
「家族関係に問題がある」誰が、どのように?

「一般化」による決めつけ

「一般化」とは、1つの出来事があたかも全てのように決めつけてしまうことをいいます。
『みんなそう思っている』『すべての人がそうだ』など、一般化することで短い言葉で情報を共有することが出来ます。しかし、一般化により人の能力や可能性に制限を加えてしまうこともあります。「一般化」による制限に対し、他の選択肢や可能性がないかをメタモデルの質問をします。

一般化(例)メタモデルの質問
「管理職になんてなれっこない」もし出来たとしたら? 止めているものは何?
「人は常に冷静でいるべきだ」もし、そうしないとどうなる?  もし、そうしたらどうなる?
「みんな持っている」すべて? あらゆる? いつも? 誰でも?  ひとつも…無い?  決して…無いの?

事実と違う情報を「歪曲」する

「歪曲」とは、ある出来事を自分の解釈、先入観、フレームで意味付けし、事実と違う情報を作って話してしまうことをいいます。「歪曲」はその人の考え方によって無意識に事実がゆがめられてしまいます。メタモデルの質問をすることで「歪曲」に至ったその人の考え方や価値観、思い込みなど、その人の考え方のクセや特徴を知ることが出来ます。

 歪曲(例)メタモデルの質問
「こちらを向いていないからやる気がない」こちらを向いていないことが  どうしてやる気がないことになるの?
「私のことを信用してくれたら 出来るのに」何があなたをそう思わせたの?
「雨が降る日は気分が悪い」気分が悪い時はいつも雨が降っていますか?
「この仕事は私には向いていない」いったいどうしてそれが判るの?

【傾聴スキル】ニューロ・ロジカルレベルの聴き取り

ニューロ・ロジカルレベル とは?

ニューロ・ロジカルレベルとは、人の意識レベルを6つのレベルに分けて説明したものです。
上位レベルは下位レベルにより強い影響を及ぼします。例えば、「能力」が向上し、「行動」が変われば「成果(環境)」が変わってきます。

環境レベルの聴き取り

環境レベルとは、今いる場所やまわりの様子のことです。見えるもの、聞こえる音や声、感じていること、雰囲気などを表します。「~になっている」「今~です」などの表現は環境レベルを表す表現です。 

行動レベルの聴き取り

行動レベルとは、どんな行動を行うか、行動の方向性、何を行うかを明確にすることです。
相手の行動を止めているもの(ストッパー)を外し、行動へと駆り立てます。実際に行動した結果が環境の変化として表れます。

「~ している」「~ していない」「~を行っている」という言葉は、行動レベルを表します。
その人が行っていること、行動、振る舞い、態度など(何を行動するか?)を聴き取りましょう。

能力レベルの聴き取り

能力レベルとは、目標達成のために持っている能力は何か、さらに必要な能力は何か、どのようして能力を身に付けるかなどです。その人の能力の発揮が行動と環境を決めます。

「~ を持っている」「~ が必要です」などの言葉は、能力レベルの表現です。相手の才能や、知力、知識、持っているリソースなど、今とっている行動に必要な能力、これから学んで身に付ける能力などを聴き取りましょう。

信念・価値観レベルの聴き取り

信念・価値観レベルは、その人が大切にしている考え方、信じていること、思い込みなどです。
信念、価値観によって能力を発揮して行動するかどうかの動機や許可を与えたり、行動を止めるストッパーになったりします。

「~すべき」「~ すべきでない」「必要、必要ない」などの言葉は信念、価値観を表す言葉です。部下をカウンセリングする際は、相手の大切にしていること、思いこみ、観念などを聴き取り、能力が発揮しやすくなるよう手助けをしましょう。

自己認識レベルの聴き取り

 自己認識レベルとは、自分は誰なのか、何者なのか、自分の存在、在り方、目標やビジョンに対する役割、ミッションを表します。アイデンティティともいいます。私は~な人です」 「私は~です」 などの言葉は、自己認識レベルの表現です。 

スピリチュアルレベルの聴き取り

スピリチュアルレベルとは、自分以外の人々や物などへの意識 (家族、職場、地域社会、自然、地球))、自分の存在がこれらにどのように影響しあっているか?を表します。「会社のために」 「社会のために」 「家族のために」などの言葉はスピリチュアルレベルの表現です。 

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