C:検証、B:要因把握、A:改善とは

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第3回で立てた行動計画を実行していただきました。
今回はその結果、PDCBAサイクルのP(計画)→D(実行)をもとに、C(検証)、B(要因把握)、A(改善)を行いましょう。

PDCBAサイクルの全体像を確認してみましょう。
PDCBAサイクルとは?計画を立て(Plan)、実行し(Do)、振り返って(Check)、要因を把握(Because)した上で、もっと上手なやり方に改善(Action)することでした。
特に、セイノーグループでは「Because=なぜならば」を重要視しています

(1)C(Check)とは何か、B(Because)とは何か

PDCBAサイクルのC(Check)は、「検証する」という意味ですが、さらに分解すると”事実を確かめて認識すること”、”比較してその価値を評価する”ということです。

次に、PDCBAサイクルのB(Because)は、「なぜならば」 いう意味で、現象をさらに深堀りして考えることで今起きていることだけではなく、その原因を把握するということです。

まとめると、PDCBAのCとBとは、事実を認識し、評価を行い、現象の深堀りをすることでその原因を把握することです。そのために必要なことは、計画(P)し、実行(D)した結果に対して、「事実を正しく認識すること」と「事実を正しく理解すること」であると言えます。

1.事実を正しく認識すること

まず、事実を正しく「認識する」ということついて。人が同じもの(事実)を見ているときは、皆、同じ「認識」をしていると思いがちですが、実際はそうではありません。人は、自分の信念や価値観、育ってきた環境、今までの体験や経験、思い込みなど、人それぞれ独自のフィルターを通してモノゴトを見ています。そのフィルターのことを「フレーム」と呼んでいます。このフレームを通してモノゴト(事実)を見ますので、例えば、ある人にとって『良い』という認識でも、別の人にとっては『悪い』という認識であることがあります。

例えば、何ごとにも前向きに挑戦する社員を見て、ある上司は『意欲的で、自主性があって良い社員だ』と認識する一方で、別の上司は『組織のルールや指示を守らないダメな社員だ』と認識しているかもしれません。私たちは、自分のフレームで事実を認識してしまうものだということ、そして、違うフレームを意識して使うこともできることを知っておいてください。(リフレーミングといいます)

2.事実を正しく理解すること

次に「理解する」ということについて。
人はモノゴト(事実)を理解しようとするとき、自分の「マップ」で理解しています。 マップとは“地図”という意味ですが、人の頭(心)の中には、それぞれが今までに経験したことや身につけた考え方などで出来たマップのようなものがあって「こういうときはこうだ」と自分なりの理解をしてしまうのです。

例えば、外国に行ったことの無い人(情報が全くないと仮定して)にとって、外国人はどんな人なのか、どんな物を食べて、どんな生活をしているかを言葉だけで聞いてもなかなかイメージすることはできないでしょう。私たちは、自分のマップにあることは理解できるけど、マップにないものに対しては理解に苦しむのです。

(2)Checkのための「ものさし」

「フレームを変え、違った認識をしてみる」ことや、「マップを拡げて理解の幅を拡げる」ことが必要ですが、この2つは、『誰が見てもこれが正しい』という答えはありません。もし、計画の段階で、誰が見ても正しい「ものさし」があれば、何処までできているかが明確になったはずです。
これが、KPI(Key Performance Indicator)と言われるもので、日本語では「重要業績評価指標」と言います。このKPIは、目標の達成度合いを測る定量的な指標(数値的なものさし)として機能します。計画(P)を作る段階で、このKPIを設定しておけば、達成度合いを「誰が見ても同じように認識し、理解できる」のです。つまりKPIを設定することで検証(C)が精度の高いものになります。

KPIは実際に職場で広く使用されています。皆さんの周りにあるKPIには、どんなものがあるかを確認してみましょう。ただし、数字は万能ではありません。人は数字では測れない可能性に満ちた存在であることも忘れないようにしてください。

(3)A(Action)とは何か?

PDCBAサイクルのA(Action)は、P(計画)、D(実行)、C(検証)、B(要因把握)の各プロセスの実施状況を継続するために必要な処置を取ること、つまり、継続的に改善するための行動を起こすことという意味になります。

継続的に改善するための行動は、2つあります。
1つは、検証(C)をした時に、当初の計画とおりに上手くいっている場合で『OK』という状態です。 『OK』に対するAの改善行動は、『その行動を継続させること』『習慣化させること』『更なるステップアップを試みる』ということになります。

 もう1つは、検証(Check)をした時に、当初の計画とおりに上手くいっていない場合『NG』(良くない)という状態です。『NG』に対するAの改善行動は、『やり方を変えてみる』『改善する』『別のアプローチを試みる』という行動を取ります。

PDCBAのA=改善には、2つのアプローチの仕方があることを覚えておいてください。

この章はここまで。次の章に進んでください。

長さ: 10 分

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