⑤トラクタとトレーラ

今回は、2)トレーラの特性に合わせた運転の⑤トラクタとトレーラについて学びましょう。

トラクタとトレーラーの構造と特性に合わせた運転

①トラクタとトレーラの用語の意味

◆トラクタ

牽引装置を備え、「トレーラ」を牽引する自動車のこと(牽引車)

◆トレーラ

エンジンがなく、トラクタなど他の自動車に牽引され物品などの輸送を目的とする車両。(非牽引車)

◆連結車両

トラックとトレーラを連結した状態のもの。2つの自動車を連結して運転するので高い運転技術を必要とします。

②トレーラの種類

◆セミ・トレーラ

積載物の重量の相当部分を、連結装置を介して、牽引車に支えられる構造のトレーラのこと。

◆フル・トレーラ

総重量をトレーラだけで支えるよう設計されています。
連結方式には、ドーリ式とセンターアクスル式の2通りあります。

◆ポール・トレーラ

柱、丸太などの長尺の積荷自体がトラクタとトレーラの連結部分を構成するトレーラで、軸距は積荷の長さに応じて調整できます。

◆トラクタとトレーラの連結装置

セミ・トレーラやフル・トレーラのトレーラの種類ごとに、連結点(折れ点)の数や特徴に違いがある。

●セミ・トレーラ

カプラとキングピンを連結。連結点の数は「1」。

●ドーリ式フル・トレーラ

ピントルとルネット、カプラとキングピンを連結。
連結点は「2」。

●センターアクスル式フル・トレーラ

ベルマウスとルネットを連結。連結点の数は「1」。

●ポール・トレーラ

ピントルとルネットを連結。連結点の数は「1」

◆トラクタとトレーラの連結方法

①トラクタのカプラ位置とトレーラのキングピン位置を確認しながら低速でバックする。
(位置が合わない時は、ハンドルで補助脚の高さを修正)

②カプラのジョーがロックされたことを確認。
(トレーラの駐車ブレーキをかけたまま軽く前進し、連結されているか確認する。)

③トラクタの駐車ブレーキをかけ
・ジャンパ・ホース、ジャンパ・ケーブルのコネクタを接続する。
・車輪止め、トレーラの駐車ブレーキの解除する。
・補助脚を格納する(ギアがかみ合った状態でハンドルを収納)。

緊締装置とタイヤのリフトアップ

◆緊締装置の種類

●20フィートコンテナ(及び40フィートコンテナ)

前方左右2箇所、後方左右2箇所の4箇所でロックします。

●40フィートコンテナ

前方はロッキングピン、後方はツイストロックを搭載しています。

●12フィートコンテナ

鉄道と共用となっており、中央2箇所でロックします。

ツイストロックをしない場合の影響

◆海上コンテナを輸送する際、緊締装置を1つでもロックせずに走行すると違反になる。

【事故事例】40フィート背高コンテナを積載して走行中、急ブレーキを踏んだところ、コンテナがセミトレーラから外れ反対車線に落下。コンテナは中央分離帯に設置してあるナトリウム灯を倒し、反対車線を走行中の10tトラックに衝突、コンテナには乗用車2台が衝突し、その内1台は別の乗用車に衝突した。1名が重症、5名が軽傷を負った。

【事故原因】制限速度50km/hの高速道路にも関わらず、70km/hで走行。コンテナ緊締装置の後部2箇所をロックしていなかったため、急ブレーキによる旋回時の遠心力で後部コンテナが浮き上がり、前部2箇所のロックピンからコンテナが外れた。

タイヤのリフトアップ

◆トレーラには、後軸の1つをリフトアップする機能を付けたものがある。

■高速道路料金が特大車区分から大型車区分になり、通行料金を軽減できる。

又、タイヤの摩耗が減り交換サイクルを長引かせることができ、燃費向上も図ることができます。

■空車又は空車に近い時だけ使える機能であり、トレーラ側のエアサスが必要!

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この章はここまで。小テストに取り組み、次の項目を学びましょう!

長さ: 10 分

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