③タンクローリー運行上の注意事項
この項目では、 3)タンクローリー運行上の注意事項について学びましょう。
3) タンクローリー運行上の注意事項
①タンクローリーの車両特性
◆車両が横転する原理
横転を起こす3つの力
遠心力
重量が大きいほど、旋回速度が速いほど、旋回半径が小さいほど大きい
車体を倒そうとする力
重心が高いほど、遠心力が大きいほど大きい
車体を元に戻そうとする力
左右のタイヤの間隔が大きいほど、重心が低いほど大きい
車両が旋回する時、遠心力が先ず働き、この力によって起きる車体を倒そうとする力が車体を元に戻そうとする力よりも大きくなった場合、車体が傾いて、重心が車幅の外側に出た時に横転します。したがって、荷を積んで重心が高くなった車両が高速で急カーブを回ると横転の危険が高まります。
◆液体貨物の横転等のリスクとタンクローリーの車両特性
タンクローリーは液体を運搬していることから、タンク内で液体が動き、横転を引き起こしやすい車両特性があります。
カーブや交差点で急旋回すると、遠心力によって流体の積荷が旋回外側に片寄り、横転の危険が高まります。
急ブレーキの時は前に、急加速の時は後ろに積荷が片寄ります。
②タンクローリーの運行上の注意事項
◆一般道路走行時の注意事項
①交差点 人ごみは避けて通行
②下り坂・カーブ 減速・エンジンブレーキ、排気ブレーキを使用
③山道・路肩通過 崖などの死角、センターラインオーバー、道路縁石と平行に走行
④雪道・凍結路 雪道は一段ギヤを下げて走行、速度のコントロールはエンジンブレーキを主体
◆高速道路走行時の注意点
①スピードの出し過ぎ、横転
スピードは感覚でなく速度計で確認、カーブの遠心力
②追従不適、追突
車間距離は速度計の読みを数字をメートルに読みかえた距離
③雨天時の急ハンドル、急ブレーキ、スリップ
ハイドロプレーニング現象が起こりやすいので急ブレーキ、急ハンドルは禁物 !
ハイドロプレーニング現象が起きたら、急ブレーキは避け、そのままアクセルを緩め車速を減速する。
◆駐車中の注意事項
人の集まる施設、文化財など重要な施設、住宅密集地に近い場所への駐車は避け、交通の流れが連続していなくて、火気のない広い場所を選びましょう。又、駐車中には、やむ得ない場合を除いて運転者は車から離れないことが必要です。やむを得ず離れる場合にも、監視できる場所にいるようにしましょう。
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以上で 3)タンクローリー運行上の注意事項は終わりです。
次の項目を学びましょう。