①交通事故の生理的・心理的要因

<目 次>

10.交通事故に関わる運転者の生理的及び心理的要因及びこれらへの対処方法
1)交通事故の生理的・心理的要因
2)過労運転の防止の為の留意点
3)飲酒や薬物の影響による危険防止運転の為の留意点
4)ヒューマンエラーを防ぐために

初任ドライバー安全教育12項目の「 10. 交通事故に関わる運転者の生理的及び心理的要因及びこれらへの対処方法について学びます。
項目は、1)交通事故の生理的・心理的要因
    2)過労運転の防止の為の留意点
    3)飲酒や薬物の影響による危険防止運転の為の留意点
    4)ヒューマンエラーを防ぐために分かれています。

この項目では、 1)交通事故の生理的・心理的要因について学びましょう。

1) 交通事故の生理的・心理的要因

疲労が運転に与える影響

疲労は、心身機能の低下を示すサインです。
その為、疲労状態で運転を続けると運転に支障をきたし、事故の原因になります。
①注意の範囲が狭くなる
②動作や言動が乱暴になる
③おっくうになり、作業の手を抜くようになる
④動作を正確にやろうという意欲がなくなる
⑤集中力が無くなる

疲労を早める運転

以下の運転を行うと疲労を早めることもあります。

☆無謀な運転

強引な車線変更を繰り返したり、目的地に早く到着するためスピードを出す行為は緊張感を高め疲労の原因となる。

☆長時間運転

走行中は絶えず周囲の状況に注意を向けるため精神的な疲労がたまる。それが漫然運転につながる。

☆悪い運転姿勢

シートを倒し過ぎたり、シートと腰の間に隙間ができていたり、前かがみで安定しない姿勢で運転していると疲労を早める。

見過ごせない精神的疲労

運転は主に目を使い、認知・判断・操作を繰り返す精神作業です。したがって、精神的疲労が生じます。
精神的疲労は、緊張状態が長く続くことで生じます。
交通状況
渋滞にまきこまれるとイライラがつのり疲労が早まる。
車線変更や追越し
車線変更や追越しを繰り返すと疲労が早まる。
気温差
車内と社外の気温差が大きいと自律神経が乱れ疲労の原因となる。

疲労を防止するポイント

疲労を蓄積させないためには、ドライバー自身が疲労の危険認識し、防止対策を講じる必要があります。
①良質な睡眠をとるため、決まった時間に寝る・睡眠前にパジャマに着替える
②脳に必要な糖分を供給するため、朝食は抜かない
③夜勤明けで昼間に寝る場合は、静かな環境づくりを心がける
④車内にベッドがある場合は、座席ではなくベッドで仮眠をとる
⑤渋滞を避けるため、渋滞箇所を避けたルート、時間帯で運行計画を立てる
⑥荷役作業の軽減化を図るため、できるだけフォークリフトを活用する
⑦できるだけこまめに休憩する。この時、車外で軽い運動をする
⑧運転席と助手席の窓を開け、車内の換気をする

◆ストレスが運転に与える影響

ストレスとは、心が外からの刺激(ストレッサー)を受けた時の状態をいいます。ストレスは、さまざまな形で運転に影響を与えます。
①渋滞に巻き込まれてイライラし、渋滞が解消されると、その反動でスピードを一気に上げて走行する
②車間を空けて走行していると、いきなり割り込まれてカッとして車間をつめる
③家庭の悩みなどによって運転に集中できず、停車している前車に追突する
※怒りやイライラの感情ストレスは、スピードの出し過ぎなどの運転を誘発する危険なストレス

◆軽いストレスから克服する

ストレスと上手に付き合うためには、自分のストレス状況を確認することが大切です。その原因が性格によるものなのかなどチェックすることで、発散方法を見つけることができます。
原因が判れば、軽いストレスから克服していくようにしましょう。
☆人間はハンドルを握ることで血圧が上がる
エンジンをかけたら、いきなりスタートするのではなく、大きく深呼吸して気持ちを落ち着かせてからスタートしましょう。

◆ストレスへの対処方法

疲労など身体に現れたストレス反応は、休養や睡眠で回復できますが、悩み事を抱えたままでの運転や、割込みなどによる怒りの感情ストレスは、休養では回復することはできません。
精神的な要因に対しては、自分一人で解決しようとせずに周りの人に相談して解決を図りましょう。
※物事を悲観的にとらえるのではなく、楽観的にとらえること!
※運転に影響する精神的な要因に対しては一人で解決しようとせず、運行管理者や周囲の人に相談して解決を図っていきましょう。

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1)交通事故の生理的・心理的要因は、終了です。

それでは、次の項目、2)過労運転の防止の為の留意点を学びましょう!

長さ: 10 分

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