②過積載による罰則
この項目では、2)過積載による罰則を学びましょう。
2)過積載による罰則
①過積載を規制する関係法令
過積載は、重大事故を引き起こす要因であるとともに、その行為そのものが悪質な違法行為です。過積載に関連する法令に違反した場合には、ドライバーの罰則の他、運行管理者の資格や事業の取消しなど厳しい行政処分につながります。
過積載の規制に関する法律としては、
1.道路交通法
2.貨物自動車運送事業法
3.貨物自動車運送事業輸送安全規則
4.道路法
5.車両制限令
6.労働安全衛生規則 があり、具体的な罰則が定められています。
②ドライバーに対する罰則
◆準中型、中型の反則金は大型と同じ
過積載運転をすると道路交通法の規定に基づき、ドライバーは処罰されます。
例えば普通車で10割以上の場合は違反点数3点で、反則金35,000円になりますが、大型車では、違反点数6点となり、反則金ではなく6ヵ月以下の懲役又は10万円以下の罰金という思い処分対象となります。
準中型と中型も大型と同じ処分の対象となります。
③過積載に対する警察等の措置
◆過積載の車両に対しては、警察官から措置がとられるので、ドライバーはそれに従わなければなりません。
■車両の停止と積載物の重量測定
■過積載車両への措置命令と通行指示「通行指示書」
車両が過積載をしているか疑わしい場合には、警察官は車両を停止させ、運転免許証、自動車検査証及び制限外許可証など提示を求めます。そして、積載物の重量測定を行います。
重量測定の結果、過積載と判定された場合
①過積分の荷を降ろす
②代車は積み替える
など、過積載とならないよう必要な措置を講じるように警察官から命じられます。
その際、荷卸しや代車への積み替えができず過積載にならないよう措置ができない場合は、警察官から通行区間や経路、危険防止に必要な措置である
①荷卸し場所までの区間や経路の指定
②速度や車間距離の指定
③積荷の転落防止措置の指示
を受け、「通行指示書」が交付され、ドライバーは、この通行指示書に従って運行しなければなりません。
④道路法(車両制限令)による措置
◆道路法(車両制限令)による罰則等
①措置命令処分
②違反を繰り返した場合
③通行許可の取消し
■道路法により、事業主の法人も罰則が科せられる
■高速道路会社は、大口・多頻度割引制度を停止
道路にダメージを与える過積載車両、車両の重量、軸重の制限を超える車両に対しては、国道事務所や高速道路会社が警察と連携して取り締まりを行っています。ETC入口車線においても一旦停止させて行います。
道路管理者(高速自動車国道・国道については、国土交通大臣(国土交通省)が管理、一般道については、都道府県が管理)が、通行許可なく、又は許可条件に反して、車両重量、軸重量の車両を確認した場合、①積荷の分割等の軽減措置、不可能な時は通行の中止(措置命令処分)②違反の繰り返した場合、道路法遵守への取り組み不十分会社としてホームページで公表③通行許可の条件に違反して死亡・重大事故、道路の損壊、措置命令に違反(通行許可の取消し)の道路法違反となり処分が課せられます。
道路法は、ドライバーばかりではなく、場合によっては事業主体である法人等にも科せられます。
⑤事業所に対する罰則
◆道路交通法での罰則や指示
■使用者に対して、過積載を命じたり容認すると6ヵ月以下の懲役又は10万円以下の罰金となる
■公安委員会から過積載を防止するために必要な措置の指示を受ける
◆貨物自動車運送事業法での処分
■事業所の自動車使用停止
■繰り返すと、事業停止、すべての営業所の事業停止、事業許可の取消し
道路交通法では、車両の使用者に対して過積載して運転させたり容認することを禁じています。違反した場合は、6ヵ月以下の懲役又は10万円以下の罰金となります。このような刑事処分に至らない場合であっても、公安委員会から過積載を防止するために必要な措置の指示が出ます。1年以内に再度違反すると公安委員会から自動車の制限命令を受けることになります。
貨物自動車運送事業法では、過積載による運送引き受け、過積載を前提とした運行計画の作成、運送の指示があった場合は、自動車の使用停止処分となり、行政処分を繰り返し受けると、自動車の使用停止にとどまらず、営業所の事業停止、すべての営業所の事業停止、さらには事業許可取り消しという、しい処分を受けることになります。
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以上で 2)過積載による罰則 は、終わりです。
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