②危険予測のポイント

この項目では、 2) 危険予測のポイントについて学びましょう。

道路を利用する歩行者や自転車などの行動特性に応じた配慮

①子どもの行動特性に応じた配慮

■子どもの世界は自分中心

子ども(12歳以下)の事故の特徴は「飛び出し」が多いのが特徴です。要因の1つとして、物事を自分中心に考えて周囲の状況には注意を払わず行動する特性があります。子どもは遊びに夢中になると、他のことが目に入らなくなり、車にほとんど注意せずに、いきなり道路に飛び出してくることがあります。数人の友達と一緒にいる時も、ふざけあって急に道路に出てくることがあります。

■子どもは、親と一緒にいる時でも油断できない

親と一緒にいる子どもは、親の目があるから大丈夫と考えるには危険です。親と一緒にいる子どもは安心感から、良くない行動をとることがあります。たとえ手をつないでいたとしても、急に親の手を払って車道に飛び出してくることがあります。

■一人が飛び出してくると次々に飛び出してくる

子どもは、他の子どもの真似をする傾向があります。その為一人が飛び出すと、次々に飛び出してくることがあります。路地や脇道から子どもが飛び出してきた時には、それに続いて他の子どもが飛び出してくると考えることが必要です。

■子どもは発見が遅れやすい

子どもは大人に比べて背が低いため、物陰に隠れやすく発見が遅れることがあります。また、子どもからも駐車車両のために車が確認しにくくなります。そのためドライバーも子どももお互いに相手に気づくのが遅れ、駐車車両の陰からの飛び出し事故が多くなります。

②高齢歩行者の行動特性に応じた配慮

■交通事故死者数の過半数は高齢者

交通事故死者の56.2%は高齢者(2020年度)

高齢者社会が進行しているなかで、65歳以上の高齢者が交通事故の犠牲者になるケースが増えています。特に歩行中の高齢者の死者数は、全死者数の56.2%を超えています。交通事故死者数の過半数を超える方が高齢者ということになります。

■高齢歩行者の事故死者数の4分の1

25.5%は高齢歩行者(2019年度)

歩行中の高齢者の死者数は、25%を超えており、高齢歩行者の事故防止は重要な社会的課題となっています。

■車に気づかず横断する

高齢歩行者の事故の大半は横断中に発生しています。車が接近しているにも関わらず横断してくることも少なくありません。高齢歩行者の中には判断力が低下しているために、車のスピードを的確に判断することが難しい人がいます。その為かなり近くまで車が接近しているにも関わらず、横断できると判断してしまうことがあります。

■車両の直前・直後に横断してくる

高齢歩行者は車両の直前・直後の横断による事故が多いという特徴があります。横断の前半よりも後半に事故に遭うことが多くあります。したがって、図のように対向車の通行直後に道路の反対側から横断してくる高齢者には特段の注意が必要です。

■高齢歩行者は歩く速度が遅い

信号が変わっても、横断歩道を渡りきれない

高齢歩行者は歩く速度が非常に遅く、道路の横断に一般の大人の2~3倍かかることも珍しくありません。その為、横断中の高齢者との距離があり、自車が接近するまでには横断を終えていると考えて、減速せずに接近すると直前であわてて急ブレーキを踏む事態になりかねません。また、青信号で横断しても渡りきれずに途中で信号が変わるケースもあります。

■高齢者は、深夜・早朝に出歩くことがある

高齢者が出歩くのは昼間だけではありません。夜間、それも深夜に出歩くこともあります。黒っぽい服装をしていることが多く、発見するのが遅れがちになります。又、目が覚めるのが早い特徴があるので明け方から早朝に出歩くこともあります。歩行者はいないだろうと思い込み油断していると、高齢歩行者の突然の道路横断に対応できず事故につながります。

③視覚障害の人等の行動特性に応じた配慮

■点字ブロックに目配りを

視覚障害の人は「点字ブロック」を頼りに通行しています。そこに駐車車両などの障害物があるとぶつかってしまいます。特に大型トラックは荷台の下の空間が大きいので、杖で感知するのが遅れて、荷台に顔をぶつけやすくなります。駐車する場合は、点字ブロックと自車の間に人が一人通行できる間隔をあけて駐車しましょう。後退時は、確認だけでなく「バックブザー」が鳴っているか確認しましょう。

④自転車の行動特性に応じた配慮

■自転車は「車両」である認識に欠けている

自転車の法令違反別交通事故件数の割合をみると「安全不確認」が最も多く、4分の1を占め次いで「一時停止」となっています。自転車は「車両」である認識に欠けています。一時停止の標識や標示のある見通しの悪い場所でも、飛び出してくる自転車が多くいます。一時停止の標識があるから、自転車は止まるはずだと考えるのは危険です。

■歩道から車道に急に出てくる

自転車は車道の左端を走行しますが、道路の反対側に公園や病院、コンビニエンスストアなど自分の行きたい場所がある時も、急に道路を横断して来ます。又、対面してくる歩行者などにより進路を塞がれると、いきなり車道に出てくることがあり、さらにガードレールの切れ目から車道に出てくることがあります。

■左折時は自転車との死亡事故が非常に多い

右折時歩行者との死亡事故が多い
左折時自転車との死亡事故が非常に多い

右折時は歩行者との死亡事故が多いのに対し、左折時は自転車との死亡事故の割合が非常に高くなっています。左折時は、特に意識して自転車の有無を確認する必要が求められます。

■左方からくる自転車はミラーの死角に入ることがある

交差点への接近時、①の時点では自転車が見えていても、左折直前の②の時点では自転車がミラーの死角に入り見えなくなるので、「自転車はいない」という誤った判断をする恐れがあります。
交差点へ接近するときは減速して左側方や歩道の状況に目を配り、左折時は必ず徐行して自転車を見落とさないように注意してください。

■トラックとスペースが分離されている所こそ、自転車などの速度が上がる想定

現状では、貨物車の左折時に自転車との事故が多発しています。貨物車が左折する手前には、自転車の通行帯が青くハッキリとした表示で設置されている。つまり、交差点進入時、貨物車を含む車両と、自転車とのスペースの分離はできています。ですが、通行の分離はできていません。信号が青であれば車両は、直進・左折が可能であり、自転車通行帯などで自車とのスペース分離がされていると、自転車もその横を走行する自車も安心して速度を上げる傾向があります。

ドライバーは、自転車通行帯などで自車とのスペースが分離されている所こそ、自転車など相手の速度が上がると想定し、加速せずに進入する習慣をつくることが重要です。

■自転車はふらつきやすい

自転車は窪みや段差など路面のちょっとした変化や、強風などでもバランスを崩してふらつくことがあります。
①子供や高齢者が乗った自転車
②前後に子どもを乗せた二人乗りや三人乗り
③前後に多くの荷物を積んでいる
④雨天時に傘をさして通行している
⑤冬期の積雪路でわだちができている路面を通行している
⑥犬を散歩させている
等は、側方を通過する時の圧力で転倒することさえあります。

■周囲を見ない自転車もある

携帯電話やスマートフォンを使用しながら自転車に乗っている人は、ほとんど周囲の状況に目が向いていません。その為走行が不安定になるばかりでなく、車の接近に気づかなかったり、信号があることさえ気づかずに赤信号で横断してくることもあります。ヘッドフォンを使用して自転車に乗っている人は、周囲の音が聞こえにくい為、接近してくる車にくづくのが遅れやすくなります。雨天時に合羽を着用して自転車に乗っている人も視野が狭まり、車に気づくのが遅れることがあります。

■一方通行から逆走してくることがある

一方通行路からは、まず自動車が出てくることはありませんが、自転車は出てくることがあります。自転車は一方通行の対象から除かれていることがあるからです。また、自転車は車道の左側部分を通行するのが原則ですが、現実には道路の右側部分を逆走する自転車も少なくありません。

■左折時に信号無視をすることがある

片側1車線の比較的小さな交差点の場合は、赤信号にも関わらず左折をする自転車がいます。また、歩道を走っている自転車は歩行者がいると、歩道から車道に出て左折することがあり、注意が必要です。

■飲酒自転車や無灯火自転車には、要注意

夜間は酒を飲んで自転車に乗っている人もいます。飲酒運転の自転車は注意力が低下していますから、車に気づかずに道路を横断したり、信号を見落としたり、運転操作も不安定になり、蛇行したりふらつきやすくなります。又、夜間に無灯火で走行する自転車も少なくありません。街灯の少ないくらい道路では、無灯火の自転車はほとんど見えず、ヘッドライトに照らされて初めて自転車に気づくケースが大半です。

⑤二輪車の行動特性に応じた配慮

■二輪車の視界は四輪車より狭い

身体を露出して走行する二輪車の視界は、四輪車より広いように思われますが、実際はそうではありません。
二輪車は路面の変化を受けやすいために、視線が近くの路面に注がれやすく、遠くの方や左右の方向に視線が向かわない傾向があります。その為、前走車のウインカーに気づかないことがあります。左折時や車線変更時に、二輪車が自車のウインカーに気づいていると思い込むのは危険です。

■二輪車は急停止するとバランスを崩して転倒する

四輪車の場合は急停止しても横転するおそれはありませんが、二輪車は急停止すると転倒するおそれがあります。優れた運転テクニックを有するライダーであっても、急ブレーキをかけ危険を回避するのは難しいことです。目の前で、二輪車が急ブレーキをかけた場合、転倒を予測し制動が必要です。

■二輪車は見落としやすい「サンキュー事故」に注意!

二輪車は四輪車に比べて車体が小さいため見落としやすくなります。右折時についても、対向右折車があるときは、二輪車がその死角に入って発見が遅れがちなります。特に注意したいのは、対向車に道を譲られて右折する時です。
道を譲られたからといっても安全が保障されているわけではありません。対向車の側方の確認をせずに右折していくと、対向車の側方から走行してくる二輪車と衝突の恐れが高まります。
サンキュー事故を想定した運転が求められます。

■二輪車の速度や距離の判断を誤りやすい

二輪車の速度を実際よりも遅く判断したり、二輪車との距離を実際よりも遠くに判断することがあります。しかも、交差点に接近している時の二輪車は、早く交差点を通過しようとして速度を上げることが良くあります。二輪車の速度を遅いと感じて誤った判断をすると事故につながります。

■二輪車は急に進路変更することがある

原付バイクは道路の左端を走行することが多いですが、道路の左端には駐車車両などの障害物が多く、進路を塞いでいることも少なくありません。その為、進路変更してくることがあります。特に高齢者の運転する原付バイクは、身体機能の低下により後方を振り向く動作が難しく、安全を確認せずに進路変更することがあります。又、二輪車は1mの間隔があれば通行できるといわれており、車間を縫って走行することがあります。特に渋滞時道路では、よく見られますので油断は禁物です。

Ⅱ悪天候・夜間の危険への配慮

①雨天時の危険への配慮

■濡れた路面は 滑りやすい

雨天時は路面が濡れているため、ブレーキがきき始めてから車が停止するまでの距離(制動距離)は乾燥した路面よりも長くなります。特に雨の降り始めは、道路の表面の土ぼこりや砂がオイル状になり、路面に油を引いた状態になるため最も滑りやすい状態(ウェットスキッド現象)になると言われています。その為、ハンドルやブレーキ操作を誤ると、スリップする危険が高まります。交差点の右左折時、カーブ走行時は要注意です。又、鉄板の上や路面の白線の上も滑りやすくなります。

■視界が悪化し危険の発見が遅れる

雨天時は前方の視界が悪くなり、危険の発見が遅くれやすくなります。側方や後方についても、サイドミラーに付着した水滴により見えにくい状態となるため、進路変更や左折時に側方や後方の安全確認が不十分となり、特に車体の小さいバイクや自転車を見落とす危険があります。

■雨の降り始めは歩行者や自転車が危険な行動をとることがある

雨の降り始めは、歩行者や自転車の動きに注意が必要です。特に傘を持たない歩行者は濡れるのを避けるため、早く目的地へ行こうとしたり雨宿りしようしたりして先を急ぎます。その為、十分な安全確認をせずに道路を横断したり、赤信号で交差点を渡ってくることがあります。自転車も同様で、スピードを上げて走りだし、後方の確認をせずに急に進路変更したり、歩道から一気に車道へ出て、そのまま道路を横断することもあります。

■雨天時は歩行者等の視界も悪く、車に気づきにくい

雨天時は車だけでなく、傘をさしている歩行者の死角は悪くなります。傘を斜めにして歩いたり、水たまりなど路面を気にして歩くことで、周囲に対する注意力が欠け、車の接近に気づきにくくなります。自転車も同様で、「傘さし運転」は違反行為ですが、現実には傘をさしている自転車は決して少なくありません。

■豪雨時の危険性

ここ数年、集中豪雨の発生頻度が高まっています。「ゲリラ豪雨」と言われる突然の激しい雨に見舞われることも珍しくありません。豪雨を甘く見ると、命にかかわる危険があることをしっかり覚えておきましょう!
・ワイパーが追い付かないほどの雨が降るとほとんど前方が見えない状態になる。
・低い場所では冠水して立ち往生するおそれがある。
・川沿いの道路では洪水に巻き込まれるおそれがある。
・山間部では土砂崩れや路肩の崩壊のおそれがある。

②降雪時・積雪時の危険への配慮

■降雪時は視界が悪くなる

降雪時は、前方が見えにくい状態になり、サイドミラーにも雪が付着するため側方や後方の視界が悪くなります。さらに、フロントガラスに付着した雪でワイパーの拭き取り性能が悪くなり、視界を悪化させることもあります。

■地吹雪は前方を見えなくさせる

周囲に建物などの少ない開けた場所の道路では、強風が地面に積もった雪を噴き上げる「地吹雪」が発生しやすく、ほとんど前方が見えない状態になります。地吹雪は、積雪していれば降雪時でなくても発生します。特に積雪地帯の高速道路では、地吹雪によく見舞われることが良くあります。
※地吹雪とは、雪や霧、雲に包まれて視界一面が真っ白になってしまう現象のこと。水分が完全に凍って雪が移動しやすい-2℃未満の低温下で、なおかつ強風時に起こりやすい特徴があります。

■降雪時は 路面標示も見えなくなる

降雪時には、センターラインや路側帯、一時停止線など道路標示も見えなくなります。その為、カーブでは道路の中央に寄り過ぎてセンターラインをはみ出し、対向車と衝突する危険があります。又、一時停止線が見えないために一時停止線を超えてしまう恐れがあります。

■降雪時は 路面標示も見えなくなる

積雪路や凍結路は滑りやすく停止距離が非常に長くなります。運転技術が優れていても制動距離は短くなりません。
積雪路や凍結路は非常に滑りやすいため、ブレーキを踏んでもなかなか車は止まりません。制動距離は路面の状態に大きく左右され、路面とタイヤの摩擦系数が小さいほど長くなります。乾燥路面の摩擦係数が0.6~0.8程度であるのに対して、圧雪路面は0.2前後、氷結路面は0.1以下と言われています。

■降雪時は 路面標示も見えなくなる

雪の積もった交差点手前では、発進と停止の繰り返しで雪が踏み固められて、とても滑りやすくなっています。その為、交差点手前で停止できずに赤信号で交差点に進入してしまったり、赤信号で停車している車に追突する事故が発生しやすくなります。特に信号の変わり目が要注意です!信号が黄色に変わった時、乾燥路面であれば交差点手前で停止できる距離であっても、積雪路面では停止できないからです。積雪時に乾燥路面と同じ感覚で交差点に接近するのは危険です。

■「急」のつく運転をするとスリップする

交差点の手前でなんとか停止しようとしてブレーキを強く踏み込むと、スリップしたりスピンしたりして、危険が大きくなります。トレーラの場合は、ジャックナイフ現象やスイング現象が発生するおそれがあります。積雪路面を走行する時は、交差点やカーブだけでなく直線でも急ブレーキや急ハンドル、急発進、急加速など「急」のつく運転が大きな原因となります。
ABS機能のないトラックは、ポンピングブレーキを活用するなど、運転操作には細心の注意を払いましょう。

■朝晩は路面凍結の危険がある橋の上やトンネルの出入り口は凍結しやすい

朝晩は、積雪していない道路でも凍結していることがあります。凍結路面は積雪路面より滑りやすく、停止距離が長くなるだけでなく、ブレーキ操作やハンドル操作のわずかなミスでもスリップを招く危険があります。しかも、凍結路面は積雪路面と違って見分けにくいために発見が遅れがちになります。特に気温の下がる深夜から早朝や雨が降った後は、路面の状態に注意が必要です。凍結しやすい場所は、橋の上、トンネルの出入口、切り出し、日陰の部分です。
※トンネル内では、走行車両の落とした雪が部分的に凍結していることがあります。

■チェーン装着の遅れは命とり

冬期の走行はタイヤチェーンは必需品です。スタッドレスタイヤを装着している場合でも上り坂などではタイヤチェーンが必要な時があります。又、1軸駆動車の場合、坂道では荷重によってはスリップする危険があります。運行の状況によってはダブルタイヤ用トリプルチェーンを携行しているか必ず確認しましょう。チェーンを携行していても装着するタイミングが遅れて事故になるケースがあります。「まだ大丈夫だろう」と先に延ばすと命とりになります。

③強風時・濃霧時の危険への配慮

■強風時は横転の危険性がある

強風時には、車体の高いトラックは風の影響をまともに受けるため横転することがあります。特に4トンクラスで空車の場合は、強風や突風が吹きやすい橋の上で横転することがありますから特段の注意が必要です。
①速度を落とし、ハンドルをしっかり握る
②風に車が流された時や風来物に視界を遮られた時、あわててハンドルを切ったり急ブレーキを踏むのは危険です。

■濃霧時は視界がきかない

濃霧時は視界が極めて悪くなり、前方がほとんど見えなくなります。そのような時、前車を視界の中に確保しておこうとして車間距離を詰め過ぎると、前車が急停止をした時に追突するおそれがあります。
※ヘッドライトを上向きにすると、光が乱反射して視界が悪くなるので下向きにする。
※強風や濃霧がひどいときは、無理して先へ進まず、安全な場所に一時退避して様子を見る。

■深夜から明け方は死亡事故が起こりやすい

事業用トラックの死亡事故を時間帯別でみると、午前4時~5時が最も多くなっているが、全体的には午前0時~11時の時間帯が最も多く発生しています。特に深夜から明け方の時間帯は眠気に襲われやすい時で、意識がぼんやりとした状態になって、注意力や集中力が低下します。その為、高速道路では、渋滞で停車している車に気づくのが遅れたり、路肩に停車している車を走行車と勘違いして追突するなどの事故が起こりやすくなります。一般道路では赤信号を見落とし、停車している車に追突してしまうこともあります。

■眠気を感じること自体が危険な赤信号

眠気に襲われた時は、すでに非常に危険な状態であり、安全な場所に停車して休憩をとること。何より大切なことは、眠気に襲われないようにすることです。

■スピードを出し過ぎる

夜間は昼間に比べて交通量が少ないことや、走行速度を実際よりも遅く感じやすくスピードを出し過ぎる傾向があります。車が衝突した衝撃力は、スピードの2乗に比例して大きくなります。スピードが2倍になれば衝撃力は4倍です。その為、スピードを出して走行する夜間は死亡事故が起こりやすくなるのです。

■右折時やカーブではヘッドライトが照らさない死角がある

ヘッドライトは常に進行方向を照らし出すわけではありません。特に交差点の右折は、図のように横断歩道の右側部分はヘッドライトが照らしていないため発見が遅れやすくなります。又カーブでもヘッドライトが照らさない部分がありますから歩行者等をしっかり確認しましょう。

■ヘッドライトは上向きが原則

下向きのヘッドライトの照射範囲は40mですが、上向きにすると100m先まで伸びます。対向車とすれ違う時、前走車の直後を走行している時を除き、ヘッドライトは上向きにして歩行者等を少しでも早く発見するようにしましょう。

■薄暮(夕暮れ)時は車が目立たない

薄暮時は、周囲の暗さに目が順応できず、視力が低下した状態になります。その為、ヘッドライトを点灯していない車は目立たなくなり、他車や歩行者に気づかれるのが遅れたり、スピードや距離を誤って判断されやすくなります。薄暮時は早めにライトを点灯させ他車や歩行者に気づかれるように自車を目立たせましょう。

2) 危険予測のポイント は、終了です。

次の項目、3)危険予知訓練について学びましょう!

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長さ: 10 分

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