電話応対のポイント
目次
社名の名乗りと挨拶
情報を聴く・話す
終わりのあいさつ
電話対応の全体の流れ
このセクションでは、実際の会話をもとにしながら、電話対応のポイントを学習します。
今回は、集荷依頼のお電話を頂いている場面です。
お客様からの電話対応をしているつもりになって、自分と照らし合わせて見てみましょう。
社名の名乗りと挨拶
※3コール以内に電話に出ましょう。3コール以上鳴らしてしまったら、「お待たせいたしました」を最初に付け加えましょう。
お電話ありがとうございます。
西濃運輸(カンガルーのセイノー)〇〇支店〇〇でございます。
→早口になっていませんか?ゆっくり・正確に!
※この発声で企業イメージが決まります!店所ごとにイメージの共通認識を決めましょう。
いつもお世話になっております。
私、〇〇(会社)の田中と申します。
集荷をお願いします。
〇〇会社の田中様でいらっしゃいますね。
いつも大変お世話になっております。
集荷のご依頼ですね、ありがとうございます。
→お客様と相互確認!復唱して確認しましょう。
※オウム返しをすることで、お客様の話を理解していることが伝わります。
【ポイント】
①状況に合った音声ではっきり名乗り、挨拶をする
枕詞は「西濃運輸(カンガルーのセイノー)〇〇支店〇〇でございます」です。
・はっきり名乗ることで、お客様に安心感を与えることができます。
名乗らない相手からの電話に対して、お客様は以下のような不信感を抱いてしまいます。
(受信時)電話をかけた企業に電話がつながったという安心感。
(発信時)誰から電話が来たのかが分かり安心できる。
・状況に合った挨拶をすることで、いいイメージを作ることができます。
(お客様)企業や応対者に対して好感を持つ
(応対者)お客様に良い印象を与えることができ、その後の会話をスムーズに進めやすい。
②用件を確認する
お客様のご要望を相互確認することで、正しい方向に対応を進めることができます。
はじめに話題を確認することで、スムーズな流れができます。「集荷のご依頼ですね」などの用件を確認しましょう。
言い忘れがあれば、再度入電になり、お客様の手を煩わせることになります。
情報を聴く・話す
恐れ入りますが、ご住所を教えていただけますでしょうか。
クッション言葉 + 依頼形
大垣市田口町5番地。セイノービル2階です。
大垣市田口町5番地 セイノービル2階ですね、ありがとうございます。
お荷物の個数はおいくつでしょうか。
1箱です。
1箱ですね。お荷物は、段ボールでしょうか。
はい、段ボールです。
段ボールですね、かしこまりました。
※オウム返しすることで、正確性を高めることができます。また、お客様のお話のスピードを落とす効果があります。
ありがとうございます。荷物のご準備はお済みでしょうか?
一度に何個も質問を詰め込まず、順番に、1つずつ質問をしていきましょう。
はい。
原票はございますか?
はい、あります。
配達時の取扱の都合上、お荷物の中身を伺っております。
どのような品物でございますか?
書類です。
書類でございますね。かしこまりました。
【「聴く」ポイント】
①お客様の話を聴いているという姿勢を見せる
あいづちを打つことで、お客様の話を聴いていますという姿勢を見せることができます。
「はい」「さようでございます」「かしこまりました」など、状況に合わせて歯切れよくあいづちを打っていきましょう。
・良くない例
×「はい、はい」「うん」「えぇ~、えぇ~」
⇒ 砕けている・聞き流しているような印象
×「なるほど~」 ⇒ 高圧的な態度
×「~の方(料金の方、配達時間の方)」⇒ 間違った言葉遣いで信用を失う場合も…
実際には、言葉遣いの雑さが原因でお客様が不快な気持ちになり、苦情のお電話を頂くケースもあります。
しかし、少し気を付けるだけで変えられるささいなことで、お電話をいただくことは非常にもったいないことです。
一度癖がついてしまうと、無意識に使ってしまう可能性があります。
普段から意識して正しいあいづちを使うようにしましょう。
②お客様が答えやすいように、順序よく言葉を添えて確認する(お客様の話を誘導する)
お客様からのお問い合わせに対応する時には、こちらから質問をしなければならないことがたくさんでてきます。
集荷の問い合わせ1つとっても、住所・名前・電話番号・商品・伝票はあるか……など、たくさんの質問をしなければいけません。
一度にたくさん聞いてしまうとお客様も困ってしまいます。また、情報を聴き漏らしてしまうかもしれません。
誘導するように、ひとつずつ丁寧に質問していきます。
例)「まずは、お名前をフルネームでお願いします。」
「次に、住所を郵便番号からお願いいします。」
「最後に、ご連絡先のお電話番号を市外局番からお願い致します。」
③オウム返しと復唱をする
内容の確認を都度行うことで、お客様との正しい情報共有ができます。特に原票番号・電話番号などの番号は復唱が必須です。
会話の切れ目で、お客様の言葉を繰り返すことで、言葉の正確性を高めることができます。
積極的にオウム返しを挟むことで、お客様の話すスピードを落とすこともできます。
メモを取る時間を作ることができるので、新人の方にオススメです!
【「話す」ポイント】
④主語・述語は省略せず順番に気を付ける
主語・述語を省略すると、相手には曖昧な情報が伝わってしまい、雑な印象を与えかねません。
例) × 受付は19時までなんですけど……
〇 受付は19時まででございます。
明確に答えないと、お客様の都合の良いように解釈されてしまうこともあります。
⑤耳で聴いて分かる言葉を使う
誰もが分かる言葉を使いましょう。
物流業界用語、社内用語、専門用語などは使わないようにしましょう。
例)「荷受人」
物流業界では:荷物を受け取る人の事
物流を知らない人にとっては:発送をする人?荷物を受け取る人?
⑥話す内容は明確にする
前置表現を付け足すだけで印象が大きく変わります。自分の話したいことを整理してから話しましょう。
例) 本日は〇〇の件でお電話させて頂きました。→ 速やかに用件に入れる
本日お伝えしたいことが3件ございます。 → 相手の心構えができる(メモや時間の準備)
⑦一文を短くする
「~ですけれど」「~なんですが」の接続詞の多用は避けましょう。
終わりのあいさつ
何かご不明な点はおありでしょうか?
最後に不明点をお伺いできるとさらに良いでしょう。
いいえ、大丈夫です。
本日は、〇〇が承りました。
お電話ありがとうございます。
失礼いたします。
最後まで焦らず丁寧にクロージングしましょう。ここで急ぐと、早く切りたいという印象を与えてしまいます。
【ポイント】
①最後にもう一度名乗る
最後にもう一度名乗り、責任の所在(誰がその電話を受けたのか)を明らかにしておきましょう。
②状況に合った挨拶を添える
お客様に感謝の気持ちを伝えましょう。
例)再度折り返し頂いた場合は、再度お電話頂きありがとうございます。など
③終了を知らせる(電話を切るタイミングを伝える)
お客様に安心してお電話をお切り頂けるよう心をこめて挨拶をします。
◎終わりの挨拶をしっかり行うことで、丁寧かつ謙虚な姿勢を示すことができます。
最後まで慌てずに、お客様に合わせた速度と間を心がけましょう!
電話対応の全体の流れ
【ポイント】
1~4で特に覚えておきたい部分は、「3.相手の言葉が不明瞭で聞き取れない場合」です。
電話が聞こえにくい時は、段階を踏んでお客様にお伝えしましょう。
まずは、「恐れ入りますがお電話が遠いようでございます。」と電話のせいにします。
それでも聞こえづらい場合は、「恐れ入りますがお声が遠いようでございます。」と、2段階に分けて電話が聞こえづらいということをお伝えしましょう。
【ポイント】
5~7で、特に覚えておきたい部分は、「5.保留にしてかけなおす場合」です。
こちらの都合でかけなおすことになった時は、ご都合のいい時間はございますか?とお伺いしましょう。
この一言があるだけで格段に印象がよくなります。積極的に使ってみてください。
電話を受けたら落ち着いて対応したいです。