苦情対応②

目次

3.トラブルに発展させないための4つのポイント(後半)
4.トラブル時に注意したい言葉
5.苦情電話対応基本の流れ

3.トラブルに発展させないための4つのポイント(後半)

Point3.事実の説明・解決案の提示

言い換える力は、自分がストレスなく応対を進める上で、身の助けになります。
お客様の要望に沿えない不利益な情報法を伝える場面で、こちらからの伝え方次第によって、対応がうまくいくこともあります。
日頃から、伝え方・言い方を考えながら電話応対を進めるようにしましょう
このポイントは、比較的難易度が高いものになります。
ですが、うまく使う事が出来れば、非常にスムーズに対応を進めることができます。
ここからは、事実の説明と解決案の提示時に使える具体的なテクニックを紹介します。

①肯定的な言い方に転換
・「できない」ことではなく、「できる」ことを伝える

・デメリット・マイナス面は先に伝え、メリット・プラス面を後で伝える

②「お客様のために」という視点を伝える

③お客様目線で提案する
お客様にお願いをしなければいけない場面で、使えるテクニックです。提案する際には、必ずクッション言葉を添えて、配慮の気持ちを表しましょう。また、お客様のご都合に配慮しながら提案をするよう心がけましょう。

・出来るだけ複数の案から選んでいただく。
「よろしければ、AとBからお選びいただけます。どちらがよろしいでしょうか」
相談ベースで提案する
「恐れ入りますが、〇〇については担当者からご連絡させて頂くということでいかがでしょうか」

ポイント整理
  ①肯定的な言い方に転換する
  ②お客様のためにという視点で伝える
  ③お客様の目線で提案する

Point4.誠意とお礼の気持ちを示す

①感謝の気持ちを伝える
苦情対応ゆえに、全体の応対がお詫びの姿勢になりがちになってしまいます。
最後に限らず、応対の途中にお礼を入れると、会話が前向きになり、応対者が精神的にも前向きになります。
お客様にご理解頂くなど、お伝えできるポイントがあれば、お礼の言葉を伝えて会話を肯定的にしていきましょう。

応対の途中での例
お客様「わかりました、そういうことなら明日でいいです」
応対者「ご理解頂き、ありがとうございます」

クロージングでの例
・「ご指摘ありがとうございます。早速対処させて頂きます」
・「本日は貴重なご意見をありがとうございます。今後の参考にさせて頂きます」
・「お客様の貴重な意見を無駄にすることがない様に、努めて参ります 」
・「私どもが気づかなかったところをご指摘頂き、ありがとうございました」
・「本件につきましては真摯に受け止め、今後に役立てて参ります」

4つのポイントまとめ

Point1.お客様のお話を聴く
Point2.お詫びと配慮の気持ちを示す
Point3.事実の説明・解決案の提示
Point4.誠意とお礼の気持ちを示す

この4つのポイントを意識しながら、誠意を持ってお客様対応をしましょう。

4.トラブル時に注意したい言葉

「けど」「ですが」で生まれる誤解

お客様:「まだメールが届かないよ」
応対者:「昨日午前中にお送りしましたけど……」
    「昨日、午前中にお送りしたはずですが……」

「けど」や「ですが」は、逆説の接続詞であり、その後にマイナスな言葉を連想させます。
そのため、お客様は、自動的に本来その後ろに来る内容を推察しようとします。

例)「昨日、午前中にお送りしましたけど…」は、
  『送ったのに何か文句あるの?』『ちゃんと確認してから電話してきてよ』と相手に言われているように思ってしまう。

短い言葉ですが、「けど」「ですが」で終わる文章を使うと、お客様の怒りを増幅させてしまう結果になることもあります。
癖でつかってしまっている人も多い言葉になりますので、自分自身は使っていないか振り返ってみましょう。

下の図には、トラブル時に注意したい言葉を載せています。
クレーム対応では、些細な言葉が相手に大きな影響を与えます。こちらに挙げてある言葉は、特に注意してほしいNGワードです。
目を通して、これらの言葉は、使わないよう心がけていきましょう。

5.苦情電話対応基本の流れ

苦情電話対応基本の流れ

①社名・担当名を名乗る
お客様が聞き取りやすい声・言葉で社名・担当者名を名乗る
②お客様の話を聴く
1.話を遮らず、最後まで聴く
2.状況にあわせたあいづちを返す
3.言葉を繰り返して確認する(復唱・まとめる)
4.質問して内容を確認する(問題把握・状況把握)
③お詫びと配慮の気持ちを表す
「何に対してのお詫びなのか」、具体的に言葉を添える
④事実・状況の説明
1.肯定的な言い方に転換する
2.「お客様のために」という視点で伝える
3.お客様の目線で提案する
⑤誠意とお礼の気持ちを表す
誠意ある姿勢と感謝の言葉を添える

上長に対応を引き継ぐ際の流れ・一次対応者

クレームの中には、「上司はいるか?」とお客様に言われるケースがあります。
その様におっしゃるお客様は、「自分の欲求の怒りの原因を知ってもらい、その怒りの大きさを正しく汲み取ってもらうこと」が目的である可能性があります。
そんな時は、「私がお客様の対応をさせて頂きます」と伝えてみると、話してくださる方がほとんどです。

とはいえ、それでもおさまらなければ迅速に上長に引き継ぐことが必要です。
保留して引き継ぐのであれば、出来るだけ素早く要点をまとめ、上長に引き継ぎます。
ヒートアップしたお客様をクールダウンさせる意味も込めて、一度お電話をお切りし、上長から電話を掛け直して頂いてもいいでしょう。

お客様の中には、顛末書や報告書を求めてくる方もいます。時系列で対話や、現象をメモ書きするのも必要です。
電話をかけて、繋がらなかった場合も確実にメモを残しましょう

①対応中はメモを取る
1.お客様の状況(いつ・誰が・何を・どうした)
2.お怒り不安の原因(何に対して怒っているのか)
3.主張・要望(どうしたいのか)
②保留動作
理由を添えて保留をかける
③上長への引き継ぎ
上長に引き継ぐ
※応対中に聴いた情報(①の内容)を二次対応者がスムーズに対応できるように引き継ぐ

一次対応者から引き継がれた際の流れ・二次対応者

引継ぎされたら、まずは一時対応者から具体的に内容の聞き取りをしましょう。内容や・状況を把握しないままお客様とお話するのは、非常に危険です。
二次対応者は、内容を理解した上でお客様対応をすることが求められます。当然お客様も、内容が引きつがれている前提でお話されます。対応が終了したら、一時対応者にフィードバックを行います。
クレームは、お客様からの貴重なご意見です。お客様対応が完了したら、クレーム対応は終了ではありません
クレームの原因・課題を考え、同じ内容でお客様からクレームを頂かないような対策を講じましょう

①一次対応者に状況を聴く
1.お客様の状況(いつ・誰が・何を・どうした)
2.怒り・不安の原因(何に対して怒っているのか)
3.主張・要望(どうしたいのか)
②対応を引き継ぐ
1.先入観を持たずに、お客様の話を聴く
2.お客様の立場、目線で解決策を伝える
③終了後、一次対応者にフィードバック
1.結果を伝える
2.一次対応者の対応によりクレームが発展した場合は、対応を終えた後、原因と対策を一緒に考える
長さ: 10 分

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浅野且久

お客様を余計に怒らせないように気をつけたい。

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浅野且久

お客様を余計に怒らせないように気をつけたい。