⑤トラックドライバーの心構え(礼節編)
3)トラックドライバーの心構え
チャプター1 礼節・身だしなみ編
<目 次>
①挨拶
②身だしなみ
②言葉遣い
④協調性・コミュニケーション
①挨拶
■社内での挨拶
人とのかかわりは、挨拶から始まります。社内でも、しっかり挨拶しましょう。より良い人間関係を築くために、次のポイントに気を付けて、明るく爽やかな挨拶を心がけましょう!笑顔で、明るい声で、相手の目を見て、自分から、挨拶しましょう!
■社内外での挨拶
第一印象は、1秒~2秒で決まるといわれます。初対面の人でも第一印象で「この人はいい人みたい」「この人は苦手」「この人ムリ」と決めていることが多いものです。
ドライバーが会社を代表する顔です。しっかり挨拶できなければ、会社のイメージを落とすことになります。このことをよく理解して笑顔で明るく挨拶しましょう。
■ メラビアンの法則
いかに第一印象が大切かという研究で『メラビアンの法則』というものがあります。
メラビアンの法則では、第一印象は出会って数秒で決まると言われています。
その際、印象に残るのは、表情、態度、姿勢などの『見た目が55%』、『話の内容、言葉が7%』、声の高さ、抑揚などの『話し方が38%』だと言われています。
■ 西濃運輸理念集より
西濃運輸理念集に、このような話があります。言葉で 「 ありがとうございます 」 と言っても、その声が暗ければ相手には伝わっていきません。言い方によっては反感さえ持たれてしまいます。たとえば荷物を届けに行った時の、その人の表情。荷物を置いた時の表情がキビキビとしていれば、たとえ少し口下手であったとしても、相手には好感を与えることができるでしょう。
ちょっとした行動によって、お客様にものすごく喜んでいただける。それは言葉や時間的正確さのみならず、表情や態度を見ての評価であることを知っておきましょう。
「 自らの思考、態度、行動が商品 」 である。荷物を受け取り、正確にお届けして、「 それでビジネスとしては終わり 」 ではありません。
お客様に与える印象まで含めて全部で100点になります。
それが、プロの仕事す。いかに第一印象、特に、挨拶が大切かがわかる文章です。
■ 挨拶の基本は「語先後礼」
挨拶の基本である「語先後礼」を覚えておきましょう。
語先後礼とは、言葉が先で礼は後という意味です。朝の挨拶であれば、まず「おはようございます」の言葉を発します。その後にお辞儀をするようにしましょう。
■ お辞儀の仕方
また、お辞儀をする際は、上半身を腰から曲げ、首を曲げすぎないようにしましょう。首を曲げすぎると見栄えが悪くなってしまいますので注意しましょう。左側の絵が良いお辞儀の仕方、右側が悪いお辞儀の仕方です。
②身だしなみ
■ 身だしなみの重要性
身なりや服装には、その人の人柄や仕事に対する気力、心構えが現れます。
だらしない身なりや服装では、荷主や配送先の人に、乱暴な運転をイメージさせ「このドライバーに、荷物を任せても大丈夫だろうか」と、不安感を与えます。逆に、正しく、清潔な身だしなみは、お客様に安心感と好感を与えます。
■ 身だしなみの基本
夏社服の場合。
悪い例は、写真のように
・名札を着けていない
・襟を立てる
・ボタンダウンのボタンを外している
・色つきのTシャツを着ている
・ズボンの裾を捲る
・シャツをズボンの中に入れない
などがあります。
・名札を着けていること
・襟は立てないこと
・ボタンをとめる。ただし、第一ボタンは外してかまいません。
・下着は白・紺・青を着ている
・ズボンの裾は、のばしていること。
・シャツをズボンの中に入れる
ことが良い身だしなみです。
・ファスナーを閉めていない
・中のシャツが、ズボンから出ている
・名札がついていない
・ボタンが外れている
のは、悪い身だしなみの例です。
写真が、冬社服の場合の良い身だしなみです。
■ 身だしなみチェック
毎朝、鏡をみて、身だしなみチェックをしましょう。
正しい服装、着こなしになっていますか?
頭髪は整っていますか?
爪は短く切っていますか?
アクセサリーは外していますか?
自己チェックしてみましょう!
③言葉遣い
■ 言葉遣いは対人関係の基本
礼儀正しさや言葉遣いは、社会生活の円滑と対人関係の基本です。対話する相手に応じて正しい使い方ができれば人間関係もスムーズになります。
言葉遣いには、相手への敬意を表す尊敬語、自分がへりくだって述べる謙譲語がありますが、状況に応じて適切な感じの良い話し方を心がけましょう。
また、相手に対して正確に自分の意思を伝えることが重要です。早口や声が小さい、語尾がハッキリしないと、相手に自分の意思が伝わりにくく、誤解を招くおそれがあるので注意しましょう!
相手に好感をもたれる言葉使いは、言葉を飾り立てたり、敬語を多用することではありません。明るさを第一に誠実で心が通ったことば使いを心がけると、多少言葉や表現が足りなかったとしても、相手に理解され物事がスムーズに運んでいきます。
ポイントは、
1.明るく話す
2.相手の顔を見て話す
3.はっきり話す
4.あいまいな表現を使わない
ことです!
④協調性・コミュニケーション
■協調性を持つ
会社は、人と人の集まりです。従業員一人一人が、自分と異なる立場、違う意見や考え方を持った人達と協力しながら、同じ目標に向けて行動することが大切です。
協調性と混同されがちな言葉に、イエスマンがあります。イエスマンは、自分の考えを捨てて多数派の意見に従う人のことですが、協調性は、周囲の意見に合わせながらも自分の意見をしっかりと持っている能力のことです。
運転業務自体はドライバーが担いますが、会社全体の仕事は、全員が遂行していくもので、チームワークで進めていくものです。全体の中で自分の役割を自覚し協調して仕事を進め、責任を全うしていくことで、会社の健全な発展と成長、従業員の幸福が生まれるのです。
■企業が求める協調性
企業が求める協調性は、2つに分かれます。
①他者への協力やサポートを通じて全体の生産性を上げる能力
具体的には、チームを組んでプロジェクトを進める場合、生産性を高めるには互いの長所を理解したうえで短所を補う能力です。
②個人よりも組織を優先して物事を考えられる能力
具体的には、個人の考えや利益を優先して組織の進むべき方向から外れない能力です。
■ コミュニケーションを図る
運転業務は、ドライバーの単独作業だから、職場のコミュニケーションはあまり関係がないというのは間違いです。単独作業が多いからこそ、点呼時など数少ない職場にいる時間に、管理者や同僚のドライバーとのコミュニケーションが大切になります。コミュニケーションは、自分を優先するのではなく、相手の立場に立つ協調性が必要になります。職場でしっかりコミュニケーションを図ることで人間関係が円滑になれば、相談事もスムーズに行えるようになり、ストレスの軽減にもつながって仕事の効率もアップします。普段から積極的にコミュニケーションを図りましょう。
YouTube動画版はこちら↓
お客様に好感を持たれる「挨拶、身だしなみ、言葉遣い」を実践し、職場内では「協調性」と「コミュニケーション」を大切にしましょう!
それでは、次の項目を学んでいきましょう!