②合意形成の手法(1)

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(2)合意を形成する(コンセンサス・スキル)

コンセンサス・スキルとは会議・ミーティング上のコンフリクトを解消し、皆が納得出来る合意形成を図ることです。

コンフリクトとは何か?

会議・ミーティングの場においては、お互いの意見の衝突や対立、話がそれたり逆に何も意見が出ないという状態に陥りやすいのが現状です。この状態をコンフリクトと呼びます。その中でファシリテーターは皆が納得できる合意形成を行わなければいけません。このコンフリクトを解消して議論を円滑に進めていくことが、ファシリテーターの最も重要なスキルです。

コンフリクトの3種類

まずは「演説」。これは1人の人が延々と話が止まらない状態をいいます。1人の人が自分の意見の正当性を主張しすぎると「演説」が始まり、演説が始まると、他の参加者は「また、始まった」とモチベーションが下がっていきます。このような状態になると会議が機能不全に陥り、結局、何も決まらないまま時間は、どんどん過ぎてしまいます。

こんな時には介入しよう・・・

演説が始まってしまった時、
・「お話の途中、申し訳ないですが、あと○分で結論を出さなくてはならないのでポイントを話してもらえますか?」
「ほかの人の意見も聞いてみましょう」と第三者に話を投げかけてみる
「話のポイントは、これと、これですね」などと要約して伝え返す

次に「非難」。これは何かにつけて個人を非難する状態をいいます。この状態になると何かにつけて誰かの名前を出して「非難」し始めてしまいます。結果的に会議の議題には関係のない個人的な好き嫌いの感情論になってしまい、他の参加者もうんざりしてしまうか、一緒になって非難の方向に話が進んでしまうなど、本題からそれていってしまいます。

こんな時には介入しよう・・・

この「非難」の状態のときには・・・
・「今日の会議のテーマからは、かけ離れているようなので別の機会に話しましょう」と本来の筋に戻す。
「そう思う出来事があったのですか?」と非難に値する出来事を訪ねる。
「その人に本当はどうしてほしいのですか?」と単なる非難ではない本来の意図を確認したりする。

非難が始まったら・・・

①非難の根拠を確認しましょう。
「なぜ、そう考えるのか?」「そう考える具体的な事実は何か?」事実関係を一つひとつ確認していきましょう。
事実がなく、単なる思い込みや好き嫌いで非難している場合であれば、ファシリテーターが介入して今回の会議の目的、テーマ、ゴールは何かという本題へと戻していきましょう。

②非難ではなく「批判」の場合は・・・
正確な事実にもとづき、建設的な議論につながりそうな意見であれば、非難ではなくそれは「批判」です。その場合は、重要な意見として議論の中で取り扱う必要があります。ただし、批判の対象が会議に参加していないのであれば、議論につながらないので、後日、話し合いの場を持つようにしましょう。

次に「沈黙」の状態です。誰も発言せずに沈黙が続く状態ですが、沈黙が長い場合には3つの場合が考えられます。
①論点を理解していない
②論点に納得していない
③発言する勇気がない

こんな時には介入しよう・・・

・「例えば、私は、こんな案が考えられますが、それについてはどう思いますか?」という提案をする
・「何か納得いかないことがありますか?」と意見を求める
・「この意見について、どう思いますか?」などの質問を投げかけてみる

ア)論点を理解していない場合

この場合の沈黙は、論点が大きすぎて、どう発言していいのか戸惑っている状態です。
論点をブレークダウン(小さく)して、具体的に答えられる質問にして投げかけるのがよいでしょう。

イ)論点に納得していない場合

なぜ、その議論をしているのか?なぜ、自分が出席しているのか?疑念を抱いているとモチベーションは上がりません。「そもそも論」を持ちだされると、会議全体の雰囲気が悪くなり、悪影響になってしまいます。そのような疑念は、事前説明や付帯状況を詳細に渡って伝え、参加する前に解決しておくことが必要です。

ウ)発言する勇気がない場合

「発言がないのは意見がないこと」として切り捨てるのは早いです。「出にくい意見」を積極的に引き出すのもファシリテーターの手腕です。沈黙者に口を開くきっかけを与える質問をしましょう。

この章はここまです。次の章に進みましょう!

長さ: 10 分

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