①適性診断の必要性
YouTube動画版はこちら↓
<目 次>
9.運転者の運転適性に応じた安全運転
1)適性診断の必要性
①適性診断
②適性診断が義務付けられているドライバー
③適性診断項目
2)適性診断結果の活用方法
初任ドライバー安全教育12項目の「 9.運転者の運転適性に応じた安全運転 」について学びます。
項目は、1)適性診断の必要性、2)適性診断結果の活用方法、に分かれています。
この項目では、 1) 適性診断の必要性について学びましょう。
1) 適性診断の必要性
①適性診断
■適正と適性の違い
「適正」とは、「適切で正しい」という意味で使う言葉です。
「適性」とは、「適切な性質」のことで、ある事に適している性質や能力。 また、そのような「素質・性格」のことです。
※「適」には「かなう。ふさわしい。あてはまる」という意味がある。「性」は「さが。うまれつき。うまれながらの心のはたらき」という意味。
運転者としての適正ではなく、運転者の適性の診断を行うことが目的です。
(例)彼は適正な手続きを行う真面目な性格なので、事務職に適性がある。
■運転者適性診断とは
多くの車や自転車、歩行者が通行する道路を安全に走行するためには、適切な注意配分や危険予知、的確な判断や動作のタイミング等の様々な能力が求められます。それらがどの程度備わっているかチェックしアドバイスするのが目的です。
適性診断は運転に向いているかいないかを判断し、診断結果が悪ければ運転業務につけない、乗務を降ろされるというような、ふるい分けをするものではありません。
それまで気づかなかった問題点に気づいてもらい、今後どのような点に配慮して運転すれば良いかを考えてもらうためのものです。
■適性は不変ではない
適性診断で低い評価が出た場合でも、自分は適性がないと思い込む必要はありません。
適性は不変ではなく、本人の運転に対する態度や考え方、改善しようとする意志、管理者からのアドバイスによって変わっていくものです。
■適性診断で変化を自覚できる
適性診断の結果が前回受けたときよりも悪くなっていることがあります。特に視力などの死角機能や動作の正確さなどは加齢とともに低下していきやすいものです。
大切なことは、そうした変化を自覚するということです。それを教えてくれるのが適性診断です。
②適性診断が義務付けられているドライバー
■貨物自動車運送事業輸送安全規則によって適性診断を受けることが義務付けられているドライバー
適性診断が義務付けられているドライバー(特定運転者)
貨物自動車運送事業輸送安全規則によって、適性診断を受けることが義務付けられています。
①初任運転者(新たに雇い入れられたドライバー)
※初任診断では、機能測定及び視覚機能測定に加えて性格面の診断が行われます。
②事故惹起運転者(死者又は、負傷者が生じた事故を起こしたドライバー)
③高齢運転者(65歳以上のドライバー)
■一般ドライバーについて
一般のドライバーについては3年に1回を目安に受診(特に法令で定めはない)します。
※一般診断では、機能測定及び視覚機能測定に加えて疲労蓄積度の診断が行われる。
③適性診断項目
適性診断の項目は対象者によって異なります。初任運転者を対象とした初任診断では、「判断・動作のタイミング」などの機能測定及び視野のなどの機能測定に加えて、性格面の診断が行われます。
特定運転者以外の運転者を対象とした一般診断では、「判断・動作のタイミング」などの機能測定に加えて、疲労蓄積度の診断が行われます。
■初任診断(診断結果にしっかり目を通す)
適性診断を受けると、診断結果が記載された適性診断票が発行されます。
運行管理者などの指導・助言に耳を傾けて、自分の運転特性をよく理解することが大切です。
■一般診断
初任診断と一般診断では、項目が少し異なります。